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ぶらり人形町 -鯛は天然-
「鯛はなんてたって天然物よ!
 養殖なんて食えるもんかい!!」。
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誰もがその通りと言うだろうが、
今日の話は鯛は鯛でも「鯛焼き」のことである。

鯛焼きは庶民の大好物なので
昔から多くの鯛焼き屋が味を競い、
縁日でもお馴染みの人気商品、
最近はスーパーでもその姿を見かけることが出来る。
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鯛焼きの起源を辿ると今川焼から派生した説が最も有名である。

最初は鯛だけではなく
今川焼の作り方を真似て多くの動物を模した焼き菓子が作られた。

その中で、鯛焼きが人気になったのは、
縁起の良さと、庶民には手が届かない高級魚だったということになる。

今日では都内に数ある鯛焼き店、
誰が言うともなく「東京三大鯛焼き」との勲章を授かった店がある。

麻布十番に1909年から鯛焼きを売っている「浪花家総本家」、
自ら日本の鯛焼きの元祖と名乗っている。

しかしながら、1909年以前から鯛焼きのことは
新聞、雑誌も見かけられていることから誇大PRとなる。

残る二店が四谷の「わかば」、
そして1916年、ここ人形町に開いた「柳屋」となる。





「柳屋」は人気店がひしめく人形町でも
随一の繁盛店と自他ともに許している。
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その繁盛ぶりは数年前の人気テレビドラマ
「新参者」でも毎回のように取り上げられていた。

主人公の加賀刑事(阿部寛)が
鯛焼きを買おうと列に並ぶのだが、
その都度、彼の前で売り切れてしまうというエピソードが
一服の清涼剤的に挿入されていた。

「あら、今日はあまり並んでいませんねー、
 いつもはお店の外までたくさん並んでるのにねー」。
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これは「柳屋」の向かいの
焼き鳥と卵焼きの人気店である「鳥忠」のおかみさんの言葉だ。
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今がチャンスと15分後には入手し、
帰宅後、トースターで温めなおして口に入れた。
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外側の皮はパリッと仕上がり、
中はもっちりとしてバランスがとても良い。

中にはぎっしりと餡が詰まっているのだが、
しつこい甘さがなくあっさりめなので
あっという間に我が腹に収まってしまった。

さて、鯛焼きとなると話題となるのが尻尾の餡の有無である。

鯛焼きの尻尾の餡については
昭和年間、評論家の安藤鶴夫さんが
読売新聞に持論を紹介したことで火がついた。

安藤さんの意見は「尻尾に餡が入っていること自体がおかしい」。

その理由は次の通りだ。

「元来、鯛焼きの尻尾は持ち手の役目をしているものだ。
 更に、餡で甘くなった口直しでもあるので
 餡が入っていてはいけない」。

それに対しての反論はもっぱら
損得の角度からの意見で説得性がない。

すなわち、「尻尾に餡が入っていないと
損した気分となり、値打ち感がなくなる」とのものだ。

本日、「柳屋」の鯛焼き(尻尾に餡は入っていない)を食べたところ、
安藤さんの意見を全面的に支持する。

餡が入っていないパリッとした尻尾は
口直しとしての絶妙なお役目を果たしてくれる。

最後にタイトルで掲げた「天然」について紹介しよう。

鯛焼きにも魚同様、養殖と天然と区別されている。
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「養殖」の鯛焼きとは大きな鉄板で
一度に複数の鯛を焼いたもので
スーパー、縁日で多く販売されている。
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一方の、「天然」は一尾だけの型を使って焼き上げるので、
より手間と時間がかかるが
皮の香ばしさと火の通り方は「養殖」を遥かに凌駕している。
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「柳屋」の鯛はどちらかだって? 
それは聞くだけ野暮っていうものでしょう。
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by shige_keura | 2016-02-03 08:56 | | Comments(0)
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