人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Top
思い出の夕食
2月某日の夕食、珍しや「アイスバイン」の登場である。
思い出の夕食_c0135543_18431944.jpg

アイスバイン(Iisbein)とはドイツを代表する家庭料理と
ガイドブック等には紹介されている。

しかしながら、ドイツ人は一般的に
夕食は、火(ガス、電気等)を使う料理を極力避けるので、
今日では家庭料理と言うより、
ビアホールをはじめとするレストランで味わうメニューだと思う。

調理方法は塩漬けの豚の脚を
野菜、香辛料でじっくりと煮込んだものである。

我が家の夕食を飾ったアイスバインは
娘が麻布十番の行きつけ「日進」で
冷凍の塩漬け豚肉を見つけ届けてくれたものだ。

「アイスバイン」を見ると遥か昔、
ドイツに出張したあのころが思い出されてくる。

時は、1976年の夏、丁度、カナダのモントリオールで
オリンピックが開催されていた頃のことだった。
               (デュッセルドルフ市内をバックに流れるライン川)
思い出の夕食_c0135543_18452414.jpg

当時、デュッセルドルフにあった子会社のお手伝いとして
ドイツ語も喋れぬ私が3か月間の出張を命じられたのだ。
               (ナポレオンが小パリと言った市内のケーニッヒ大通り)
思い出の夕食_c0135543_1847293.jpg

本当にお手伝いになるのか?
大いなる不安を胸に羽田へ向かった。

「機内の食事なんざー、旨かないよ」。

馴染みの居酒屋の主人が作ってくれたお弁当を
小脇に抱えていたということは、
お店から飛行場に直行したことになる。

全くあの時から何をやっていたのか????
訳が分からない。





東京からドイツへの飛行ルートは
アンカレッジ経由の懐かしくもあるが、
長い長い果てしない空の旅。

ハンブルグ経由デュッセルドルフ到着は昼をを回ったころ、
東京は夜も深まるころとなるので頭がボーっとして、
時折ウツラ・ウツラ、つらい時間を過ごしていた。

欧州はサマータイム、
全く暗くなる気配もないままに明るい夜を迎えたころに、
時差の関係か目が覚めてきた。
思い出の夕食_c0135543_18494543.jpg

ならば、ドイツと言えばビールと言うわけで
夜の町、旧市街(アルト・シュタット)に案内された。
思い出の夕食_c0135543_18504198.jpg

入ったのが老舗のビアレストラン・ユーリゲ(Zum Uerige)、
運ばれてきた皿を見て目を向いた。
思い出の夕食_c0135543_18514977.jpg

骨付きの豚の脚肉がデーンと盛られ、
隣にはこれまたドイツ名物で私の苦手の
ザワー・クラウト(キャベツの酢漬け)が添えられていた。

不味いとは言わないが、決して旨いとは思わなかったのは、
骨が飛び出た肉塊のインパクトが
あまりにも強烈だったことによるものだった。
思い出の夕食_c0135543_18523531.jpg

コクのあるビールは流石本場を思わせる味だったのだがが、
アイスバインの方は3か月の出張期間内に食べたのは2回だけだった。

何故、2回かと言うと、
初回は時差で正確に旨さを判定できなかったとの想いが
再チャレンジとなったわけだが、
それが結局最後になってしまった。

つまり、それほど食べたいと望むほどのものではなかった。

今回は日本の家庭料理となった
我が家のアイスバインのボリュームは本場と比べると1/5程度、
あっさり目の味付けは取り合わせの野菜との相性も良く
あっという間に完食となった。
思い出の夕食_c0135543_18534680.jpg

ブリ―とパルミジャーノ・チーズと
ボルドーの赤ワインが華を添え充実感一杯の夕食となった。

落語の「目黒のサンマ」じゃないけれど
アイスバインは我が家が一番、ということだ。

最後に、画像の奥に見えるスープに触れよう。
思い出の夕食_c0135543_18554054.jpg

これは、野菜スープなのだが、
環境に優しい我が家の特製なのである。

普通ならば捨てる部分、例えばキャベツの芯、
玉ねぎの外側の皮、茄子・ピーマンのヘタ、
ニンジン、大根、カブの根元と外側の皮等々々・・・・・・、
これらを冷蔵庫に貯めて、一緒くたに煮たものである。

想像すればお分かりと思うが、
様々の野菜のエキスが滲み出て
「魔法のスープ」と呼んでも差し支えないほどに美味しい。

廃物利用もここまで徹底すれば
「見上げたもんだよ、屋根屋のフンドシ」である。
by shige_keura | 2016-02-07 21:10 |
<< 房総は春近し -風情ある町並み- ぶらり人形町 -小網で大漁!- >>



2007年9月末にこちらに引っ越してきました。
→過去のブログを見る


ホームページ 



LINK 


LINK FREE

このブログの写真・テキストの無断使用はお断りします。

(c) 2007 shige_keura. All rights reserved.