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遥かなる昭和・本物のタレント群像 -4-
1965年、テレビにとっては不毛の時間帯の深夜に挑戦した番組が現れた。

NTV系列で始まった「11PM」、
まさしく当時の深夜と言われた23時から1時間もかけたバラエティ番組だった。

月・水・金は関東、火・木は関西がキーステーションとなって始まった「11PM」は
お色気という新たな味付けを盛り込んだことで
深夜としては驚くべき視聴率を叩き出した。

私が観たのは主に関東製作「11PM」、
月曜日と水曜日は小島正雄のスマートな司会が印象的だった。
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彼は1913年の生まれ、NHK入社するも戦後復員してからは
名門ジャズバンド「ブルー・コーツ」のバンド・マスターとして活躍し、
コーラスグループの「ダークダックス」「ボニー・ジャックス」
「スリー・グレイセス」の生みの親として名高い。

これから更なる活躍が期待された56歳の時に
心筋梗塞の為突然この世を去り世間を落胆させた。

金曜日の11時が楽しみのお時間、「金曜11」の開始である。

ジャズ評論家でピアニストでも活躍した三保敬太郎の
軽快なアップテンポのテーマが流れる。
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画面には網タイツの女性の動画、
そしてお色気一杯のジューン・アダムスがウインク!
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「バー・サバダバ、ダバダバ・・・・」。

続いて、金曜日の司会者大橋巨泉と
朝丘雪路のお馴染みのセリフが流れる。
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「金曜のイレブンは、司会は巨泉、野球は巨人の大橋巨泉と」(巨泉のセリフ)
「朝まるで弱い朝丘雪路」(雪路のセリフ)の司会でお送りします。

ここからはページを割いて最も敬愛したタレントの一人、
大橋巨泉の思い出を語りたい。






それは、中学2年のときだから、1957~8年、
未だ大橋巨泉の名前は一般的に知られていない頃の事だった。

親友の一人が、典型的な文学青年(少年)でありながら映画とジャズに詳しく、
大学卒業後、会社へは進まずピアニストとして生計を立て、
一時は銀座に洒落たジャズ・クラブを出していた。

中学2年のある日彼はこう言った。

「大橋巨泉という人間はたいしたものだ。
 自分の意見をしっかりと述べている」。

当時、大橋巨泉は老舗ジャズ雑誌「スイング・ジャーナル」に
若手評論家として執筆していた。
               (2010年休刊となったスイング・ジャーナル)
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確か、巨泉は「ファンキーにもの申す」といったタイトルで
日本でファンキーが誤った形で受け入れられていることに警鐘を鳴らした。

標的となったのはアート・ブレーキ―とジャズ・メッセンジャーズによる、
これぞファンキーのお手本と一世を風靡した「モーニン」に向けられた。

但し、巨泉はジャズ・メッセンジャーズを批判したわけではなかった。

それが証拠に同バンドの演奏「ブルース・マーチ」を
ファンキーの模範として絶賛した。
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ファンキーを説明するにはジャズの歴史を簡単に辿らねばならない。

言っておくが私はモダンジャズには詳しくないので
以下はものの本に書いてあった解説の纏めである。

1950年代初頭、ニューヨークを拠点として
若手黒人ジャズメンが中心となって「ビ・バップ」の発展形として
「ハード・アップ」が生まれ即興性と個性を表現する
モダンジャズの完成形として定着していった。

しかし、完成形はやがてマンネリに陥り、
そこから黒人性と大衆性求めゴスペルにも通ずる
ソウル・ジャズ、すなわち「ファンキー」が生まれた。

ファンキーはすぐに日本に上陸し
ファンの間で熱狂的に支持されたのだが、
その頂点にあったのがジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」だった。

巨泉はこれをファンキーとしては真っ向から否定した。

当然のことながら、彼の評論は物議を醸したのだが、
私の親友は即座に巨泉の意見こそ正しいものであることを強調していた。

その後、日本のジャズ評論家の第一人者である
油井正一が「巨泉は誠に鋭い目耳の持ち主」とのコメントが
彼の意見の正鵠性を証明した。

当時、私は論争そのものが全く理解できなかった。

しかし、今日「モーニン」と「ブルース・マーチ」を
聞き比べてみるとファンキーの本質性である、
ゴスペルに通ずる黒人性の観点から
巨泉の意見が妥当であることがよく分かる。

大橋巨泉は若いころから豊富な勉強量と
自らの才能に自信を持ち堂々と自分の意見を貫いていた。

そこから、巨泉は生意気だ、尊大である、我儘、何様だ!
という批判を浴びるのだが決して彼は自分のスタイルを変えなかった。

私はそのような巨泉さんが好きで堪らなかった。

次のブログでは、様々な分野で花開いた大橋巨泉について話してみたい。
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by shige_keura | 2016-07-26 23:24 | | Comments(0)
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