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遥かなる昭和・本物のタレント群像 -5-
「金曜11」の中で、大橋巨泉は多彩な才能を発揮していた。

視聴者参加の「11ダービー」は
言ってみれば二人を競馬馬に見立て、
参加者の選ぶ番号によって進むコマが決まり、
どちらが早くゴールに辿りつけるか、
いわば双六と同じ至極単純なゲームである。
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これを人気コーナーとしたのは
大橋巨泉の話術の賜物と言って間違いない。

こんな、言葉が度々彼の口から飛び出した。

視聴者が電話で選んだ数字が、例えば「へ5番」とする。

巨泉曰く、「あッ、への5番ね、これが凄いへで・・・・」、
雪路は又かといった顔をしながらも吹き出す。

巨泉だからこその面白さだと思う。
               (11PM本番前の打ち合わせ中の巨泉と雪路)
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そのほか、競馬勝ち馬予想、麻雀、釣りにゴルフにボーリング、
そして番組では殆ど取り上げなかったが将棋も玄人はだしだった。

競馬をはじめとする博打、将棋の世界に精通している
作家の山口瞳さんは巨泉の才能に驚嘆したことがあった。

巨泉が将棋の世界に入ったきかっけを作ったのが山口さんなのだが、
わずか半年後には平手で勝てなくなるほどの上達を見せたと言う。

「巨泉さんは何事にも真面目に真剣に取り組んでいる。
 あの人は才能もあったのは確実だが努力も半端じゃない」。

これが山口瞳の巨泉評である。







ひとつだけ巨泉が話題として取り上げなかったのは女性関係、
お色気がひとつの売りの番組であるにもかかわらず
不思議なほどに巨泉は女性の話はしなかった。

巨泉の身辺からは女性関係の
スキャンダラス的な煙は全く立ち上らなかったことから、
彼はそっちのほうは余りお盛んではなかったかと思う。

年齢が一回り以上も違う奥様との生活は
いつみても仲睦まじく微笑ましく、
尊大な巨泉の影は何処にも見えなかった。

巨泉が一度だけ女性の好み的な話を聞いたのが
今でも続くNHK Eテレの「日曜美術館」のゲストとして登場した時の事だった。

絵の話題がオランダ王立美術館所蔵の傑作、
フェルメールの「ミルクを注ぐ女」になった時、
巨泉は例のはっきりとした江戸弁でこう言い放った。
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「俺、嫌だな、この絵は好きじゃないな。
 だって、貧乏くさくて太った田舎娘、まるで魅力ないし、
 こんな絵を家に飾りたいと思わないじゃない」。

巨泉の面目躍如、周りは一瞬しーんと静まり返った。

だからと言って、巨泉がフェルメールを否定しているわけではない。
あくまで主観的な好き嫌いを述べているのであって、
同じ作家の「デルフトの光景」は高く評価していた。
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巨泉の多彩なタレント性は驚くばかりだが、
もっと凄いと思うのが話術のテンポ・テクニックと
喋る言葉のユニーク性にあると思う。
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巨泉は前田武彦を話術の天才と尊敬しているが、
私から見ると巨泉の話術は前田武彦を凌駕しているように思えた。

巨泉さんの話となると、どうしても長くなってしまうが、
次のブログでは彼の話術について触れることで〆にしたい。
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by shige_keura | 2016-07-28 20:24 | | Comments(0)
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