Top
仮名手本忠臣蔵は女が手本
12月の国立劇場は10月から3か月連続完全通し上演
「仮名手本忠臣蔵」の八段目~十一段目である。
c0135543_1434757.jpg

12月になると毎年、舞台やテレビで取り上げられるのが赤穂義士のお噺だが、
今回は3か月累計上演時間が15時間にも達すると言う超大作である。

人気演目だけにお客様も大勢、
中には丸髷のご婦人が彩りを添えている。
c0135543_1462671.jpg

12月はいよいよ本懐を遂げるクライマックスである。

しかし、お噺の中心は九段目の山科閑居の場である。
c0135543_1472761.jpg

ゆったりとしたテンポで進む九段目、
時には眠気を覚えたものの、
お芝居の為に作られた人物・加古川本蔵にまつわる顛末が興味深かった。

加古川本蔵は桃井若狭之助の家老で、
短気な殿を慮って高師直(吉良上野介)に賄賂を届け
主君の刃傷を未然に防いだ。

更には塩冶判官(浅野内匠頭)が刃傷に及んだ時に
後ろから抱え大事を防いだ男だ。
c0135543_1482878.jpg

判官と本蔵の因縁はこれだけではない。

本蔵の娘、小浪と由良之助の長男、力弥は婚約していたのである。

本蔵の母は小浪を嫁にやる為、
雪の降る中、山科の大星の閑居を訪ねた。

ところが、大星の妻、お石は
主君の刃傷の一件から、結婚を承知しない。

このように忠臣蔵は男の世界だけではなく
女の因縁話が重要な鍵を握っている。





偶々、12月3日、日経新聞夕刊コラム「あすへの話題」に、
「忠臣蔵と女たち」のタイトルで紹介されていた
歌人・水原紫苑さんの文章を付記しよう。

「忠臣蔵」は不思議なものだ。
江戸城内で吉良上野介に刃傷に及んで
切腹させられた浅野内匠頭の恨みを
家来たちが晴らして上野介を討つのだから
どこまでいっても男の話である。

ところが忠臣蔵の話を握っているのは女たちである。

浅野内匠頭と吉良上野介が、塩谷判官と高師直に置き換えられている。

話の発端は師直が判官の奥方・顔世に横恋慕したことである。

顔世は夫が師直に苛められるのを案じて
断りの手紙は大事な役目の後に届けさせようとするのだが、
腰元のお軽が恋仲の早野勘平に逢いたい一心で早く持っていってしまう。
c0135543_1491770.jpg

このお軽の恋心が、判官切腹とお家断絶を呼び起こすこととなる。

仇討を行った大石内蔵助(大星由良之助)の一家にも
恋の情念が影を落としている。
c0135543_1411151.jpg

由良之助の長男、力弥のもとに
許嫁である加古川本蔵の娘小浪が嫁入りにやってくる。

しかし、殿中で刃傷の際、
加古川本蔵に妨げられた判官の恨みゆえに、
由良之助の妻、お石はこれを拒む。

諦めきれない小浪の心を知って、
継母の戸無瀬は小浪を殺して自分も死のうとする。

そこへ小浪の父・加古川本蔵が
娘の愛情から自分の命を捨てにやってくる。
c0135543_14145637.jpg

現実には仇討において女たちの運命は顧みられなかっただろう。

戦争も同じだが
最も傷つけられる弱者である女たちを描くことで
作者たちはすべての人々の鎮魂を願った。

「忠臣蔵」は過去の物語ではないのだ。」
[PR]
by shige_keura | 2016-12-27 11:06 | | Comments(0)
<< 「うまくち」は400年の歴史 ... クリスマスは「もつ鍋」で >>



2007年9月末にこちらに引っ越してきました。
→過去のブログを見る


ホームページ 



LINK 

カテゴリ
全体



スポーツ
その他
LINK
トリップアドバイザーにお勧めブログとして認定されました。金沢 ホテル
旅行口コミ情報
最新のコメント
懐かしい名前を拝見いたし..
by モモタロウ at 17:42
↑恥ずかしいからそういう..
by Hiraoka at 17:45
試合はブチ切れるし、判定..
by shige_keura at 09:36
コメント有難うございまし..
by shige_keura at 18:00
全話をチェックした訳では..
by 通りすがり at 16:23
以前の記事
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
more...
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

LINK FREE

このブログの写真・テキストの無断使用はお断りします。

(c) 2007 shige_keura. All rights reserved.