「しゃぶしゃぶ」の起源は中国のモンゴル地方を中心に
古来から人気があった火鍋(シュワンヤンロウ)、 羊肉を熱湯、出汁にくぐらせる料理にあるというのが定説である。 それでは、火鍋からどのような経路でをたどって 「しゃぶしゃぶ」という名前が生まれたのだろうか。 それを辿ると昭和初期の民芸運動家として活躍した 吉田璋也という人物に行き着く。 元来、医師を本職とした吉田は1938年軍医として北京に召集された。 約7年間北京で滞在している間に 当地で盛んに食されていた火鍋の存在を知った。 1945年京都に帰ってきた吉田は 京都の料理店「十二段屋」の主人に火鍋の事を教えたところ、 それにヒントを得て1950年、お店で「牛肉の水炊き」の名前でお客に提供した。 その2年後の1952年、当時大阪の永楽町にあった「スエヒロ」が 水でおしぼりを洗っている音からヒントを得て 「しゃぶしゃぶ」と命名したと伝えられている。 このように「しゃぶしゃぶ」と言えば 昔は牛肉だけだと記憶しているが、 今では豚シャブも人気、鶏の胸肉のしゃぶしゃぶもある。 肉だけではなく海鮮を見ても、 ブリ、カニ、金目鯛、タコ実に多くのしゃぶしゃぶが存在している。 今日は、私にとっての初体験、「鴨しゃぶ」のお話だ。 1月中旬、東急デパートが定期的に開催している地方の物産展、 「島根物産展」で知ったのが「鴨シャブ」である。 販売しているのは鴨専門通信販売店「カナール」、 2015年末、婦人画報の調査で お取り寄せ鍋全国第1位に輝いたお店である。 鴨には目の無い爺、 早速に鴨のしゃぶしゃぶ用にとスライスした肉とつくねを購入した。 そのときに、お店の人に受けたアドバイスが 絶対に肉を熱湯にくぐらせてはいけないと言うことだった。 つまり、鴨肉は鉄分を多く含んでいるの で熱湯にくぐらせると“ギュツ!”と肉が硬くなってしまうのだ。 だから、最初に豆腐、野菜等を煮た後、 お湯の温度が70度ぐらいに下がったところを見計らて 「しゃぶしゃぶ」しないと本当の鴨肉の美味しさが味わえぬと言うことなのだ。 牛肉をはじめとした一般的なしゃぶしゃぶは 熱湯をくぐらせるものだが、 鴨肉に限っては熱湯は厳禁となる。 更に知ったのはラーメンが〆に最高とのことだった。 ということで、豆腐、ネギ、シイタケ、牛蒡等を鍋に入れ 頃合いを見たところで火を止める。 そこにクレソンを入れてお湯の温度が下がったところで鴨をしゃぶしゃぶ!! 鴨肉の濃厚な味と柔らかさ、実に美味しい。 ぬる燗のお酒をちびちびとやりながら 鍋をつつくうちに身体がじわーっと温まってきた。 〆のラーメンも鴨肉のエキスがたっぷりと入った だし汁との相性がこれまた乙なもの。 島根の「鴨しゃぶ」、隠れたる名品だ。
by shige_keura
| 2017-02-01 09:12
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