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春の北陸路 -4-
  「越前は蕎麦の里」

1997年金沢に赴任する前、
私は一度として北陸の地に踏み入れたことは無かった。

辞令を貰って慌てて地図を見て
富山・金沢・福井の位置関係を調べたものだった。

だから、福井、越前の里が蕎麦どころであることは知る由もなかった。
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「信州長野の蕎麦よりも、あたしゃあなたのそばがいい」。

私の中での日本の蕎麦どころと言えば
信越線の駅で立ち食いした信州そば、
あるいは新潟の妙高、戸隠蕎麦ぐらいだったと思う。

基本的に蕎麦の好みは圧倒的に田舎蕎麦びいき、
麻布更科が売りにしている御膳ソバなどは、
生白くて歯ごたえもなく、とてもではないが
食べるだけ損する感じを抱いていた。

金沢赴任後、富山に住んでいた同僚がある日、こう言った。

「富山も旨いものはたくさんあるんですがね、
 蕎麦は福井に叶わないね。あそこのオロシ蕎麦ときたら・・・
 一度食べてごらんなさい」。

底の浅い椀に蕎麦が盛られ、そばつゆは掛かっており
上におろし大根が盛られた、言ってみれば無骨極まりの無い福井の蕎麦。

一口食べて正直驚いた。

そばの香りと芯がまだ残ってるかのような麺、
ところがのど越しはすこぶる滑らか、
今では越前蕎麦に優る蕎麦は日本にないと私は断言する。

一乗谷見学のあとの昼食、
当然、お目当てはオロシ蕎麦なのだが、
名店「ふる里」は遠いし、
行ってみても今日の水曜日はやすみだからどうしようもない。
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そこで訪れたのが、
まずは観光客が立ち寄らない穴場中の穴場、「宿布屋」、
ここは老夫婦二人だけで切り盛りしているお店で
出すものはおろし蕎麦ただひとつ。
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それだけこの一品にこだわりを持っているのだ。
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ちょいとピリッとくるおろし大根が絶妙のアクセント、
太めの蕎麦と共にあっという間に我が胃袋に収まった。
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「旨い!」、これが本当の蕎麦だぜ!!

勿論、トロッとした蕎麦湯が優しく腹に沁みわたる。

帰り際奥で働いていたご主人が出てきた。

「二十年ほど前に一度立ち寄らせてもらいました。
 今回、東京から越前を見てまわってます」。

「それはそれは、遠いところをありがとう存じます。
 どうぞ楽しい旅をお続けください」。

旅の途中、地元の人たちとのこういった会話は堪らない。
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by shige_keura | 2017-05-05 08:35 | | Comments(0)
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