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野球場の聖地 (アメリカ篇)
アメリカではワールド・シリーズ終了、
日本でも、あっけなく日本一が決まった。

野球はこれからオフシーズンに入るが
今日と明日のブログは野球場についての話題だ。

日本では野球場の聖地と言えば
”あそこ”に決まっている。

では、アメリカではどこが聖地だろう?

メジャーの使用球場で一番最初に作られた球場が
ニューヨークのポログラウンドで1890年。
野球場の聖地 (アメリカ篇)_c0135543_11234389.jpg

ここは40年間ジャイアンツの本拠地として、
又、一時期はヤンキースも本拠地として使用した。

更にこの野球場が有名になったことは
ここで野球が行われていることがきっかけで
全米国民に今でも親しまれている曲、
”Take me out of the ball game”が作られたことだ。

しかしながらこの野球場は
ジャイアンツがサンフランシスコ移転と同時に
取り壊され現在は高層アパートが立ち並んでいる。

当時の面影は、アパート群の片隅に
少年用として、”ウイリーメイズ球場”と名づけられた
小さなボールパークに偲ぶ事ができる。

それでは、現存するアメリカの野球場の中で
聖地に相応しいスタヂアムは何処だろう???





歴史的に振り返ると
以下の三つの球場が候補に上る。

・1912年、ボストン・レッドソックス、フェンウェイパーク
野球場の聖地 (アメリカ篇)_c0135543_11245244.jpg

・1916年、シカゴ・カブス、リグレーフィールド
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・1923年、ニューヨーク・ヤンキース、ヤンキースタヂアム
野球場の聖地 (アメリカ篇)_c0135543_1126062.jpg


ここに人気を加味すると
リグレーフィールドは脱落し
二つの球場が残る。

このうち一つを選択するのは今は難しい。

しかしながら2009年以降は
フェンウェイパークこそが
アメリカのボールパーク聖地として認められるだろう。

何故ならば、2009年に
ヤンキースタジアムが全く
新しい球場として生まれ変わるのだ。

このことに日経新聞に執筆している
ジム・ケーブル氏(メジャーレポート)は
警鐘を鳴らしている。

「ヤンキースの歴史を支えた選手達、
 ベーブルースをはじめゲーリック、
 ディマジオ、マントル・・・・
 彼等が築き上げた語りつくせぬ歴史が
 全面建て直しにより崩壊してしまうのではないか」

その背景には、
”真の野球ファンが
球場に足を運ぶ楽しみの一つは
過去の偉大な選手達との接点を求める為だ”
との認識がある。

一方、今年のワールド・チャンピオン、レッドソックスの
本拠地フェンウェイ・パークだが、

ここは5年後に建設100年を迎えるが
小さな改修以外は殆ど手を加えていない。

又、改修に当っての決め事は
”ファンが改修に全く気がつかぬように
 手を加える”というものだ。

従って、昔の趣をそのままに残しているフェンウェー・パーク、
観客席の前後のスペースが狭い、
柱が邪魔で試合が見にくいというような批判も多い。

しかし、その工事によって
昔の名選手との接点が無くなることを恐れている。

フェンウェーパークのライト外野席、
ホームベースから502フィート離れた一つの席、
ここだけが赤く塗られている。

名づけて、”ローンレッドシート”(Lone Red Seat)

ここは当時のレッドソックスの至宝
メジャー最後の4割バッターの
テッド・ウイリアムスがフェンウェーパーク歴史上
最長本塁打を打ち込んだ場所なのだ。

もしも、観客席前後の余裕を確保すると
ローンレッドシートが消えてしまう。
          (フェンウェイパーク球場前にあるテッド・ウイリアムスの銅像)
野球場の聖地 (アメリカ篇)_c0135543_1127219.jpg

それならば観客には申し訳ないが
少しの不自由はご勘弁願おう、
というのが球団の姿勢である。

筆者は言う、
「古い球場は見る人にとって
 不便である事は否めない。
 しかし、その不便さを補って余りある
 歴史と郷愁を感ずる。
 その球場と共に歩いたレッドソックスの往年のつわものが
 今にもベンチから出てくるようだ」

レッドソックスとヤンキース
現在のチーム力の違いは
こんな本拠地球場に対する考えの違いからも
出ているのかも知れない。
by shige_keura | 2007-11-07 09:17 | スポーツ
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