”チーズの大吟醸!!”
これは私が勝手につけた名前だ。 それは1980年代後半から1990年代初頭 スイスのチューリッヒに暮らしている時の事だった。 スイスは酪農の国でもあり 各地の美味しいチーズが人々の口を楽しましてくれる。 世界的に有名なグリエール、エメンタールを初め 今まで知らなかった北の寒村、アッぺンツエラ等々 香り、コク其々特徴を持ったチーズが 食卓を賑わせてくれた。 その中で、冬限定の とろけるような芳醇なチーズがあることを知った。 それがヴァシュラン・モン・ドールである。 Vacherin Mont d'Or、 モンドールとは”黄金の山”の意、 このチーズが取れる地方の山の名前である。 従って、その味の豊かなことから ”黄金のチーズ”と呼んだ方が相応しいかも知れぬ。 スイスの西側、フランスとの国境に沿って ジュラ山脈が走っている。 谷合の村はまさに寒村の趣き、 未だに文明に犯されていない素朴さを保っている。 国境にそびえる山、モンドール、 その周囲に暮すフランス、スイスの農民は 昔からお互いに同じようなクリーミーなチーズを作っていた。 チーズの仕込みは夏の終わりに始まる。 ジュラの高地で鍛えられた牛のミルクを 定期的に塩水で表面を拭きながら 熟成させていくのである。 ただ、熟成に至るまでの間で 他のチーズと異なる特徴は 円盤型のチーズの周りを ジュラに群生している エセピア(モミの木の一種)の樹皮で覆う事だ。 こうする事によって スプーンですくって食べた時に 芳醇なチーズの味と共に アルプスの自然の香りが漂ってくるのだ。 最近は日本でも販売されているヴァシュラン、 久しぶりにその味を堪能した。 今までは、スプーンですくって そのままパンにつけて食べていたが 今回新たな方法で試してみた。 それは、バゲットの上にチーズを置き その上にニンニク或いは胡椒をかけてオーブンで焼くのだ。 ニンニク、胡椒の効果が出て 今までとは違った味を楽しむ事ができた。 そして今楽しみにしているのは 少し残ったヴァシュランを利用して 中に白ワイン、ニンニクを入れ オーブンでこんがり焼く食べ方だ。 (完成予定図、実際は多少の異なりが生ずるかもしれません) これは、想像するだに 生唾が出てくるほど旨いものだと確信している。
by shige_keura
| 2007-11-29 10:16
| 食
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