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思い出のプロ野球選手たち -1-
来年から巨人ファンの旗をおろす事は書いた。

しかしながら、半世紀以上も応援してきたチーム、
その中には今でも思い出に残る選手が沢山居る。

今日から折に触れて
印象に残ったプロ野球選手を
順次紹介していきたい。

第1回は巨人のこの選手だ。

昭和34年、この年のセントラルリーグ
摩訶不思議な現象が2回も起こった。

最初はオールスターのファン投票、
捕手の部門で、そのシーズン
殆どマスクをかぶっていない選手が1位で選出された。

1位投票数が49,339
2位の当時大洋の土井が34,020票だった。

オールスターはファン投票なので
人気があれば成績の如何にかかわらず
選出される場合もありうる。

しかし、シーズン終了後のベストナイン選出は別だ。

これはスポーツ記者の投票で選出されるから
当然その年の成績が重要視される。

記者投票の結果、
捕手の部門で同じ選手が
圧倒的支持でベストナインに選ばれた。

しかし、彼は外野手として86試合に出場したものの
捕手としては僅か36試合にしか出場していなかった。

彼の集めた票数が104に対して
2位の巨人の正捕手森はたった20票だった。

藤尾茂がその人だ!!!!



昭和28年鳴尾高校から巨人入団、
31年から3年間であったが
巨人の正捕手を務めた選手である。

彼の強肩は高校時代から際立っていた。

何しろ、高校3年夏の大会準決勝
藤尾は1試合でなんと
6回にわたり牽制も含め走者を刺している。

そして、彼には類稀なる長打力と
スパイクで100メートルを11秒3で駆け抜ける脚力があった。

昭和28年、藤尾新人の明石キャンプ、

彼のバットからピンポン球の如く放たれる打球に
監督の水原が眼を剥いた。

続いて目を剥いたのは
セカンドの猛牛ことベテラン千葉茂だ。

2塁ベース上に胡坐をかき
胸にグラブを突き出した千葉は
捕手の藤尾にこう言った。

「このグラブにストライク放れ!!
 外れたらワシはよう取らんからな!!」

それから、3球続けて
糸を引くような投球が
千葉のグラブに吸い込まれていった。

そして3拍子揃った藤尾は
巨人の中心選手、正捕手として活躍していく。

特に鮮烈なるデビューが昭和30年の日本シリーズ
南海に対し1勝3敗と崖っぷちに追い込まれた巨人!

水原監督は第5戦でベテランを外し新人を起用した。

その中で3番に抜擢された藤尾は
初回、ランナーを2人おいて
3ランホームランを叩きこんだ。

この1発がきっかけとなって
巨人は3連勝で日本シリーズを制したのである。

いかにも華やかな
藤尾らしいお披露目である。

しかし、彼が余りにも3拍子揃っていた事が
彼の運命を暗転させてしまうのだから
世の中は皮肉なものである。

当時のジャイアンツの外野に
水原は頭を抱えていた。

即ち、青田は去り与那嶺、南村は衰え
早稲田から入団した岩本は伸び悩む。

核となる外野手がいないのだ。

その状況の中で控えの捕手
森が頭角を表してくる。

このことが、監督水原をして
藤尾を外野手に転向させることを決断させるのだ。

昭和31年のシーズン中、
恐らくプロ野球としても屈指の記録
連続9回、盗塁を刺した強肩捕手、藤尾の転向だ!!

藤尾と森、
捕手としての生涯成績を比較すれば
藤尾は遠く森に及ばない。

しかし、当時としては破格の捕手、藤尾!

動の藤尾に静の森、
明朗快活なる藤尾に対して権謀術数にたける森、
アメリカ的捕手の典型が藤尾ならば
日本的捕手の典型、無骨で鈍足の森である。

当時の子供の目からすれば
藤尾の方に惹かれるのは当然の事と言えよう。

俊足、ファイターが仇となり
外野飛球を追ってフェンスに激突!!!
以来精彩を欠き
僅か12年で巨人退団を余儀なくされてしまう。

しかし、ファンは好漢藤尾を忘れてはいなかった。

彼の退団後18年経った昭和58年
「夢のスーパースターゲーム」と称して
現役選手と引退した選手達による
オールスターゲームが行われた。

選手選出はファン投票で行われたが
セリーグの捕手部門の代表として
藤尾茂が見事に選ばれ
金田正一とバッテリーを組んだのである。

今、藤尾さんは
鈴鹿の方にあるレジャー施設に勤務している。

機会があれば訪れて
昔の話をお聞きしたいなとマジに思っている。
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by shige_keura | 2007-12-18 17:05 | スポーツ | Comments(2)
Commented by 写楽 at 2007-12-19 12:27 x
藤尾か・・・。懐かしいですね。小生の実家の近くに藤尾捕手の兄(弟?)が歯科医院をやっていたのでひょっとすると会えるんじゃないかと思って周りをうろちょろした記憶があります。藤尾を駄目にしたのは水原監督だと子供ながら仲間と憤慨しました。だけどあの頃のプロ野球は面白かったですね。
Commented by shige_keura at 2007-12-21 22:34
写楽さん、コメントありがとうございました。

藤尾ってね、熱血漢でありながら心の優しすぎる男だったんですよね。
投手の責任を総て自分でかぶる所があったので、リードが悪いと
評判たてられてね。それがもとで当時のコーチ別所と衝突して
キャプテンを外されたりして・・・、世渡りが森とちがって下手でしたね。

仰るとおり、あの頃のプロ野球は今とは比べものにならぬほど
面白かったですね。
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