標題とは関係ない話から始めたい。
ゲイリー・クーパーにジャン・ギャバン、 古今東西を代表する二大俳優だ。 故池波正太郎さんは 二人をこう評していた。 「カメラを全く意識せずに 自然体で演技が出来るのは クーパーとギャバンが一番だ」 私は西部劇が映画入門であるので 二人の比較ではクーパーの方に 親しみを感じるし大好きだ。 ただ、この二人の演ずる姿を見ていて 圧倒的にギャバンの方が 上手だと思う場面がある。 それは、食べる演技だ。 これは、ヨーロッパとアメリカ 食文化の歴史と深さから見て 仕方がない事と思われる。 一般的に見ても 欧州映画の食事の場面の方が アメリカ映画のそれよりも ずっと洒落ているし、美味しそうである。 ギャバンの食べるシーンで 秀逸だと思ったのが 暗黒街ものの傑作、「現金に手を出すな」である。 この中で、初老のギャングを演ずるギャバンが しくじりをしでかした これまた年老いた相棒を こんこんと諭す場面がある。 説教が終わったあと 食事でもしようや、と 先ずは冷蔵庫から取り出したるは 極上のシャンペン。 あとはフランスパンのバゲットのみ!! このときギャバンのパンを引きちぎりながら シャンペンを飲む姿の堂に入ったこと!!!! うめーなー!!!!! 今年もあとわずか 年越し蕎麦から、お節と 例年通り日本酒が頻繁に 食卓をにぎわす時期となってきた。 であるからには 今夜あたりはワインを飲りたい。 そういえば到来ものの 極上ワイン、ポメロル、グランクリュ1970年物がある。 この機会に開けてしまえ!! しかし、食事は何にする???? 余程頑張らないとワインに負けてしまう。 と、ここで思い出したのが ギャバンの「現金に手を出すな」であった。 そうか!!ここはワインを楽しむのだから 旨いフランスパンとチーズさえあれば良い!! 結局、主役はポメロル1970年、 脇役はご贔屓ヒルサイドパントリーの 2種のバゲット。 そして、スイスチーズの名品、Tete de Moine 更に、おまけとして缶詰ではあるがフォアグラを付けよう。 ギャバンの貫禄はまるでなし ギャバンの演技力には及ばない。 しかし、しかし、なんと旨い食事であったことか!!!
by shige_keura
| 2007-12-30 11:10
| 食
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