世界三大珍味といえば
フォアグラ、キャビアにトリュフと言われている。 それでは日本は???? 定説は無いが、 塩ウニ、カラスミ、コノワタが 上げられている場合が多い。 しかし、日本にはこのほかにも 多くの珍味が存在している。 例えば、東京から手近な所で云えば クサヤの声が上がるだろう。 6年ほど暮らした北陸で覚えた珍味は くちこ(海鼠の卵巣を干した物) へしこ(サバに塩を振って糠漬けにしたもの)等だ。 南に下れば、沖縄の 豆腐ようも珍味の仲間に入るだろう。 この珍味の仲間には 匂い、香りが強いという共通点が見出せる。 さて、匂いの強烈さ!! 忘れてならぬのが、”鮒寿司”である。 嫌いな人は、その匂いに顔を背け 好きな人は、「こんな旨いものは無い」と相好を崩す。 近江の国は琵琶湖固有の鮒、 ”にごろ鮒”の雌を塩漬け1年、 更に飯と共に1年間、 都合2年に渡り漬け込んだ逸品である。 乳酸菌発酵により腐敗は防止され また、乳酸による酸味と臭みが際立つ 珍味中の珍味である。 すなわち、”Chinmi of Chinmis”なのだ。 ところが、この私 今の今まで”鮒寿司”の味を知らなかったのである。 一度は試してみたかった”鮒寿司” 遂にこの正月、ご対面に成功したのだ。 幸せは時として ひょんなことで訪れるものである。 従弟のお宅に突然お邪魔して 例によって無駄口を叩き そろそろ腰を上げようか、 と、そのとき 冷蔵庫に鮒寿司が入っているとの一言。 何!”鮒寿司”!!!! 何故、早くそれを言わない!!! 慌てて、酒屋に走った事は云うまでも無い。 なんとなれば、従弟のお宅は全員下戸、 どこを探しても料理用の酒ぐらいしか 見出せないからだ。 買ってきたのは山形の”あらばしり”、 絞りたての生酒だ。 目の前に並ぶ 幻の鮒寿司。 「もう少し綺麗に盛りつけんかい!」 ご馳走になる分際で このようなことは云えぬ。 「嫌なら、食べるな!」 と云われればそれまでだ。 鼻を近づけると ツーンと来る!! これはーーー!!! 先ずは卵からそして身を食す。 柔らかな卵から噛み応えのある身、 例えようも無い味であり 小生の語彙では上手く伝える事ができない。 しかし、なんとも旨いことは確かなのだ。 これほど、お酒との相性が良い 肴も滅多に無いのではないだろうか。 満ち足りた気分で 逗子駅から横須賀線に乗り込んだ。 鮒寿司が入荷の折には必ず連絡されたし! 下戸には勿体無い酒の肴である。
by shige_keura
| 2008-01-08 20:30
| 食
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