「大の男が、オムライスなんか
おかしくって喰えるか!」 と、言っているあなた、 実は機会があれば オムライスを食べたいと思っているはずだ。 一般的に世の男性諸氏の多くが オムライスファンである。 「何故、そんなことが分るかって??」 それは、私もオムライスが大好きだからだ。 ただ、レストランに1人で入ったとしよう。 ここで意気揚々と「オムライス」とは 若干気恥ずかしくて躊躇してしまうものだ。 だから、複数でレストランに入り 1人がオムライスと頼むと ホッとしたように我も我もと続く場合が多い。 しかし、最近のオムライスの世界、 ちょっとおかしなことになっている。 すなわち、”オムライス”を騙った 妙な料理がアチコチに顔を出しているのだ。 焼き飯の上にオムレツを乗せ ナイフを入れると、ドロリと卵の黄身が流れ落ちる。 これは断じてオムライスではない。 (偽証罪適用のオムライス) これを、オムライスとして宣伝する事は 昨今はやりの偽称罪として取り締まるべきだ。 カメラに向って、 「申し訳ありませんでした」と 頭を下げてもらわねばならぬ。 オムライスと言うもの、 焼き飯の周りを卵の薄皮が 優しく包みこんだ逸品であるべきだ。 勿論、この皮は焼きすぎでパリパリではいけない、 だからといって、厚すぎるのも論外だ。 貴婦人の絹のブラウスの如く 上品ですべらかでなければならぬ。 目の前に出てきたオムライス、 ライスを優しく包み込んでいる卵の皮、 破る事にためらいを覚えない人はいないだろう。 卵の薄皮にスプーンを入れるとき 「ゴメンナサイ!失礼します」と一言漏らすのが オムライスの正式な食べ方だ???? このオムライスで思い出すのが 北陸の金沢、 ”昔の洋食”の名店、「自由軒」である。 特に、先代のシェフの手さばき!!! それは魔法を見ているかのようだった。 当時、小学校の甥が フライパンを自由自在に操って 次々とオムライスが出来る様子を 目をまん丸に見開いて眺めていたものだ。 私も実は秘芸を盗もうと 目を凝らして見ていたのであるが・・・・ ここのオムライスの特徴は 中の炒め御飯にある。 普通は、ケチャップで味を整えるものだが ここは胡椒が利いた醤油味の焼き飯なのだ。 そして、卵の皮の上にも トマトケチャップはかかっていない。 「この腕を見ろ」 トマトケチャップ如きに邪魔されるものかといった 自信と誇りに満ち満ちている。 さて、今日の昼は独りだ。 暫くぶりで、「自由軒」風オムライスに挑んでみよう。 ところが、又やってしまった。 中の焼き飯が多すぎて 芸術的な仕上がりには程遠かったのである。 なれど素人の料理だ 形の悪さを ケチャップと葱を散らし 色彩でカバーしよう。 味は問題なし! 次は貴婦人とはいかぬまでも 「こりゃ、十人並みだ」のレベルには到達したいものだ。
by shige_keura
| 2008-03-06 10:02
| 食
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