今日の主役は
とても正義の味方とは思えぬ御面相だ。 全身黒尽くめ、 いかつい身体。 口ひげをたくわえ 目付きは鋭く 顔はジャガイモの如くごつい。 誰だこの男は??? 彼こそリチャード・ブーンが扮した 「西部のパラディン」である。 このシリーズはかなり暴力的にもかかわらず NHKで放映されていたのが驚きである。 しかしながら、案の定 公共放送らしからぬとの批判で 放映中止となり その後民放に移っていった。 公共放送らしからぬと言う所が 実は、この番組の面白さであった。 アメリカでのオリジナルタイトルがユニークだ。 「Have Gun, Will Travel」である。 「よろず揉め事、銃で解決、どこでも参上」とでもなろう。 パラディンとはラテン語のパラティヌスが語源。 これは中世のヨーロッパで 一定の高位にある騎士の総称である。 それが、どういうわけで 西部のヒーローの名前になったかは知らぬが こちらのパラディンのトレードマークは 拳銃のホルスターに記されている チェスのナイト(騎士)のマークである。 何ともキザな奴だ。 このパラディンが最後の切り札として使うのが 隠し持ったるデリンジャー(超小型拳銃)だ。 相手を油断させた所で いつの間に取り出したデりんジャー、 轟然と火を吹き敵を倒してしまう。 このユニークな小道具を使ったところが このシリーズの目玉であったと思う。 尚、このデリンジャー拳銃は 隠し持てるので、 護身用、暗殺用に用いられた。 中でも、有名な事件が 1865年、観劇中のリンカーン大統領暗殺に 用いられたのが、このデリンジャーだった。 (リンカーン暗殺用に用いられたデリンジャー) 「西部のパラディン」は放映も短かったし 日本では余り人気とならなかったと思う。 しかしながら、アメリカでは 大人気となり子供から大人までが楽しんだと言う。 その証拠のひとつが 日本でも親しまれた映画の中で 「西部のパラディン」の主題歌が 口ずさまれたことである。 その映画は”思い出の映画アンケート”では 必ず上位に入ってくる「スタンド・バイ・ミー」である。 この作品は、アメリカのとある片田舎 腕白4人組の青春時代の一こまを 描いた秀作である。 小学校最後の夏休みのある日のこと、 この4人は森の中に死体が転がっているとの噂を聞きつけ 親に内緒で2日間の旅に出る。 彼らにとっては最初の大冒険、 思いも寄らぬ出来事の連続を経て 無事戻った彼らが感じたこと。 それは、たった2日留守しただけなのに 自分達の町が急に小さくなったことである。 即ち、彼らがこの旅行で 確実に大人に向って歩み始めたということなのだ。 彼らは肩を組んで 歌いながら平原を進んでいく。 ”Paladin Paladin where do you roam Paladin Paladin far far from home” ご同輩の方々は必ずや このような青春時代の思い出を持っているに違いない。 又、これから育っていく子供たちにも 是非、忘れ得ぬ思い出を持って欲しいものだ。
by shige_keura
| 2008-07-08 09:42
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