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テレビが面白かった頃 (火を吹くデリンジャー)
今日の主役は
とても正義の味方とは思えぬ御面相だ。

全身黒尽くめ、
いかつい身体。

口ひげをたくわえ
目付きは鋭く
顔はジャガイモの如くごつい。
テレビが面白かった頃 (火を吹くデリンジャー)_c0135543_113445.jpg

誰だこの男は???

彼こそリチャード・ブーンが扮した
「西部のパラディン」である。

このシリーズはかなり暴力的にもかかわらず
NHKで放映されていたのが驚きである。

しかしながら、案の定
公共放送らしからぬとの批判で
放映中止となり
その後民放に移っていった。

公共放送らしからぬと言う所が
実は、この番組の面白さであった。

アメリカでのオリジナルタイトルがユニークだ。

「Have Gun, Will Travel」である。

「よろず揉め事、銃で解決、どこでも参上」とでもなろう。
テレビが面白かった頃 (火を吹くデリンジャー)_c0135543_1142181.jpg

パラディンとはラテン語のパラティヌスが語源。

これは中世のヨーロッパで
一定の高位にある騎士の総称である。

それが、どういうわけで
西部のヒーローの名前になったかは知らぬが
こちらのパラディンのトレードマークは
拳銃のホルスターに記されている
チェスのナイト(騎士)のマークである。

何ともキザな奴だ。

このパラディンが最後の切り札として使うのが
隠し持ったるデリンジャー(超小型拳銃)だ。

相手を油断させた所で
いつの間に取り出したデりんジャー、
轟然と火を吹き敵を倒してしまう。

このユニークな小道具を使ったところが
このシリーズの目玉であったと思う。

尚、このデリンジャー拳銃は
隠し持てるので、
護身用、暗殺用に用いられた。

中でも、有名な事件が
1865年、観劇中のリンカーン大統領暗殺に
用いられたのが、このデリンジャーだった。
               (リンカーン暗殺用に用いられたデリンジャー)
テレビが面白かった頃 (火を吹くデリンジャー)_c0135543_1145836.jpg




「西部のパラディン」は放映も短かったし
日本では余り人気とならなかったと思う。

しかしながら、アメリカでは
大人気となり子供から大人までが楽しんだと言う。

その証拠のひとつが
日本でも親しまれた映画の中で
「西部のパラディン」の主題歌が
口ずさまれたことである。

その映画は”思い出の映画アンケート”では
必ず上位に入ってくる「スタンド・バイ・ミー」である。
テレビが面白かった頃 (火を吹くデリンジャー)_c0135543_1161031.jpg

この作品は、アメリカのとある片田舎
腕白4人組の青春時代の一こまを
描いた秀作である。

小学校最後の夏休みのある日のこと、
この4人は森の中に死体が転がっているとの噂を聞きつけ
親に内緒で2日間の旅に出る。
テレビが面白かった頃 (火を吹くデリンジャー)_c0135543_116427.jpg

彼らにとっては最初の大冒険、
思いも寄らぬ出来事の連続を経て
無事戻った彼らが感じたこと。

それは、たった2日留守しただけなのに
自分達の町が急に小さくなったことである。

即ち、彼らがこの旅行で
確実に大人に向って歩み始めたということなのだ。

彼らは肩を組んで
歌いながら平原を進んでいく。

”Paladin Paladin where do you roam
Paladin Paladin far far from home”

ご同輩の方々は必ずや
このような青春時代の思い出を持っているに違いない。

又、これから育っていく子供たちにも
是非、忘れ得ぬ思い出を持って欲しいものだ。
by shige_keura | 2008-07-08 09:42 |
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