”中尊寺ハス”
毎年、開花時期にはテレビで取り上げられているので 多くの方は既に知っておられるに違いない。 しかしながら、開花した花そのものを ご覧になっている方は少ないだろう。 今回、東北夏祭りの旅、 最後に訪れたのが平泉、中尊寺だった。 そして、幸運この上ないことに 平安時代を知る蓮の開花に遭遇した。 中尊寺は天台宗、東北大本山にして 奥州藤原氏ゆかりの寺である。 中尊寺を建立したのは 藤原氏実質の初代である清衡。 着工は1105年、 有名な金色堂は1124年に完成した。 この寺の建立目的は 前九年、後三年の役で亡くなった戦没者の供養と 奥州全土を仏教国土にしたいとの思いだった。 清衡のあと基衡、秀衡、泰衡と4代、 約100年間この地に王朝風の文化が栄えたのだった。 事の発端は 1950年、金色堂に安置されている 藤原氏4代の「ご遺体学術調査」が 行われた時だった。 このとき、泰衡公の首級が納められていた首桶から 100粒のハスの種が見つかったのである。 このなかの5粒を ハス研究で有名な大賀一郎博士が持ち帰り 栽培して花を咲かせようと試みた。 博士の努力は門弟に引き継がれ 1998年、種発見後約半世紀を経て 見事に花を咲かせることに成功した。 翌年、お里帰りしたハスは 以降、毎年平安時代の優美な姿を見せてくれている。 実に800年ぶりに目を覚ませたハスの花、 見るほうにとっても感慨ひとしおである。 しかし、久しぶりに目覚めたハスの花 外界の余りの変貌振りに さぞかし途惑ったことだろう。
by shige_keura
| 2008-08-13 09:32
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