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続・秋の酒ー燗酒ーぬる燗ー人肌
偶然の符合はままあるものだ。

27日のブログで”ぬる燗”に触れたが
奇しくも同じ日の夕刊に
”燗酒”について書かれたあった。

記事は日経誌夕刊、
コラムは「グラスの縁から」で
東理夫氏によるものだ。

彼は酒雑誌の名編集長だった
佐々木久子さんの随筆
「酒 はる なつ あき ふゆ」から
次のように引用している。

旧暦、”重陽の節句”(今の10月)の宴より
酒を温めて供するようになるが
この酒を”あたた酒”と言う。

即ち、燗酒のこと。

何故、燗かというと
冷と熱との”あいだ”
つまり、”間”(カン)が”燗”になった。



だから、普通に燗酒といえば
それは”ぬる燗”を指すのである。

そして、”ぬる燗”の温度を
具体的に表す言葉として
”人肌”がある。

人の肌ならば何処でもよいのか?

”腋の下”でも”口の中”でも???

体温を測っているわけじゃない。

人肌でも色々あるが
最初の一杯は
”ご婦人の乳房の下辺りの温度”であるべきらしい。

なんともはや、なまめかしい話である。

しかし、どうしてそのような
微妙な温度を思いついたのか?

2杯目以降はどうなるか?

これらの疑問には答えていない。

ここからは勝手な推量となる。

灼熱地獄の夏、
すべてのやる気を取り上げた夏が
漸く過ぎていった。

涼風が吹き始め
五感がはっきりとしてくる。

又、一方では夏の喧騒は嘘のよう
辺りは静まり返り
無性に人恋しい気持ちが
湧き上がってくる。

だから、男性として
微妙な温度を思いついた人の気持ちは
分らないではないのである。

ところで、一体全体
具体的に何度ぐらいなのだろう???

では2杯目以降の温度は??

杯を重ねるうちに
そんな事はどうでも良くなる。

”あとはおぼろーー
 あとはおぼろーーーー”。
by shige_keura | 2008-09-29 09:01 |
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