10月某日、夕刻
玄関のチャイムが鳴った。 金沢へ工芸作家との約束で出かけた 長女と二女夫婦が帰って来た。 手には大きなトロ箱を提げている。 (薀蓄:トロ箱の語源 トロール漁(底引き網漁)で 獲れた魚を入れておく為の箱 今は一般的に 海産物を入れる箱を言う) これは!!!! 中は北陸の新鮮な海の幸である。 しかも何たる僥倖! 朝、近江町市場に出かけた折に 千取寿司のご主人にお会いし 格別の計らいで その日の活きの良いものを分けてもらったものだ。 今まで、甘エビに対しては 有名な割には強い食指を動かした事はない。 しかし、今日の甘エビは格別! 何しろ、千取のご主人の言いつけで 若い衆が1匹、1匹 慎重に吟味してくれたものだからだ。 ネットリとした身の甘みに加え 新鮮な卵は あたかもエメラルドの宝石の様。 更には頭のミソが濃厚な事、 いつまでもチューチューとしゃぶっていたい。 続いては今日の近海もので一押しのイカ、 小ぶりながら輝くような透明感! 卸し生姜に醤油をタラリ、 すっきりとした甘みと コリコリした食感。 そして、日本海の逸品、 ノドグロの塩焼き! 金沢で暮らしてみて 初めて知ったこの魚。 ムツ科に属しているこの魚は 鮮やかなピンクの色から 赤ムツと呼ばれている。 では、ノドグロとは何ぞや? お魚の口の中を覗くと ノドの辺りが真っ黒け。 ノドは真っ黒でも白身魚。 こんなにと思うほどの脂が乗っているが その味はあくまでも上品だ。 思いもよらぬ北陸の味の到来で 賑やかな楽しい食事となった。 テレビでは昼の 国会審議の様子を伝えている。 こちらは登場する人の多くが ”ハラグロ”ばかり、 煮ても焼いても食えそうもない。 テレビは消そう! 食事の邪魔だ!!
by shige_keura
| 2008-10-24 08:50
| 食
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