古典のお噺に「三人旅」がございますが
本日は新作の「三人釣り」と 「寄り合い酒」で お暇を頂戴いたします。 「いやー、いい天気だねー!こりゃーー」 「全くだなー、見てみろ 富士のお山が!!見事なもんだぜ」 「富士の高嶺の白雪がーーー 溶けて流れるーーーー 男磨いた勇み肌ーーーーー、 とくらーー!」 「唸ってねーで、仕度をしろい!」 「あれッ、どーしたの? じっと海を見つめたりして、 そーか!潮目を読むって奴だ、 芝目を読んでる時よりも 自信ありげだねー」 「その事よ!! 芝はいけねー、 見ているうちに、気持ちが悪くなってしまうんだが 海はそれがない。 おまけに釣りにはイップスもない! 任せとけって!!」 「おい、この辺りかい、 ”追いはぎ”が沢山出るっていうのは???」 「“追いはぎ”??? それを言うなら”かわはぎ”だ」 「何だーー?? その・・なんとかハゲってーのは?」 「ハゲじゃねーって、ハギだ」 「そーか、そーかハギかーー ハゲじゃ・・おめーの・・・・??」 「ウルセー、ゴタク並べる暇があったら 釣れってーの」 「今日のノルマは 昼までに一人、四匹だーー! とっとと釣りやがれ!」 「おや!こっちの兄さんには 当たりが来てーーーー こりゃ良い形でやんすねー」 「ほれッ、あっちにも来ましたよ!! ほーれ、来た来たーー!!!」 「何で、俺のとこだけ・・・・・ おっと、やっと来ましたよ! 待てば海路の何とかだ。 ありゃ、こりゃベラだーーー」 「まったく、どうなってやがんだ? どっこいしょっと・・ 待て待て!!遂に来ましたよ!! ホーレこの通りだ」 「漸く破顔一笑!!! はいチーズ!!!、 こんち、大将やっとご機嫌さんで 全くもって、めでてーこってござんすね」 「ちょいと大将、 水槽の中に 随分とカワハギが残ってるね。 どうするんだい?」 「誰が料理すると思ってんだ。 こんな沢山持って帰ったらてーへんだ、 なにせ、あの連中ときたら 造るそばからみな食っちゃうんだから」 「図星よーー! 食い物も飲み物も あんなに吸い込みの良い連中はいねーね」 「ほれ、みろ、 あらかた料理は喰っちまったぜ」 「人間発電所ってプロレスラーはいたが こりゃ人間バキュームクリーナーだぜ」 「あれで給付金の割り増しまで かっさらうって、ふてー奴等だ、全く」 「おい、今度は ウイスキーまで開ける気だよ!」 料理人は後ろで苦笑い、 「まったく面倒見きれねー」と ひっそり呟いた。 宴はまだまだ果てしなく続きますが お時間が宜しいようで。
by shige_keura
| 2008-11-19 09:23
| 食
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