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サヨナラ小兵衛さん
人間国宝にして歌舞伎界最長老
2代目中村又五郎さんが
2月21日94歳で亡くなられた。

慎んでお悔やみ申し上げます。

私が始めて又五郎さんに気がついたのは
1964年、NHK大河ドラマ第2回、
「赤穂浪士」のときだった。

NHKは大河ドラマに
常にこれでもかと思えるほどの
豪華俳優をつぎ込んでくる。

しかし、「赤穂浪士」のキャスト陣は
今の大河ドラマと比べ
重厚極まりないものだった。

長谷川一夫の内蔵助、
山田五十鈴の妻、りくを初め
ざっと上げても眼の眩む配役だった。

先代松本幸四郎(新井白石)、尾上梅幸(浅野内匠頭)、
滝沢修(吉良上野介)、宇野重吉(蜘蛛の陣十郎)、
淡島千景(おせん)、林与一(堀田隼人)、志村喬(小野寺十内)、
先代坂東三津五郎(柳沢出羽之守)、実川延若(千坂兵部)、
伴淳三郎(犬医者朴庵)、芦田伸介(小林兵七)、
その他、嵯峨美智子、河津清三郎、西村晃、岸田今日子等々・・・・・・。

その中での又五郎さんの印象は
悪く言えば、”遊びがない”
よく言えば、”折り目正しい”役者さんに映った。

それは彼の役どころが
片岡源吾衛門という
謹厳実直なる忠義の士を
演じた為であったのだろう。

時に、又五郎さん
49歳の時だった。



               (”二条城の清正”での又五郎さん)
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               (”め組の喧嘩”の時)
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ただ、又五郎さんが世に知れたのは
故池波正太郎さん、
三大傑作の一つ
「剣客商売」の秋山小兵衛を演じてからだ。

と、言うよりか
池波さんは又五郎さんを頭に描き
「剣客商売」を書き進めていった。

それは池波さんご自身の随筆、
「味と映画の歳時記」にこう書かれている。

               (池波正太郎さん描くところの秋山小兵衛)
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”今、私が小説新潮で連載している
 「剣客商売」の主人公で
 老剣客の秋山小兵衛の風貌は
 旧知の歌舞伎俳優
 中村又五郎から採ったものだ」

               (晩年の又五郎さん)
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だから、吉川栄治文学賞を得た
傑作シリーズ「剣客商売」は
中村又五郎さんなくしては
あれほどの人気とはならなかったかも知れぬ。

「剣客商売」が初めて舞台化されたのは
1975年、場所は帝劇だった。

又五郎さんの秋山小兵衛に対し
加藤剛の大二郎、
これはまさに名コンビであったろう。

1回も観ることが出来なかった事が
返す返すも残念だ。

話は変わるが、
女房の実家の菩提寺に
又五郎家のお墓がある。

近いうちに、是非お参りしよう。

そして帰り道は、
勿論向かいの”羽二重団子”を賞味しながら
在りしの秋山小兵衛を偲ぼうではないか。
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by shige_keura | 2009-02-23 08:50 |
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