原作者、江戸川乱歩は
「怪人二十面相」の中で 隠れ家は新宿区、戸山ヶ原にあり、と書いている。 その昔、陸軍の実弾射撃場があった所、 更に、悪名高き細菌兵器を研究していた所、 戦後、都内の有数の心霊ポイント、 これほど、薄気味悪く 怪人の隠れ家に相応しい場所は無い。 しかし、相手は怪人二十面相だ。 誰もが思いつくような所に 隠れ家を設けたりはしない。 渋谷から田園都市線で程近く ”桜新町”、都心の瀟洒な住宅街に 遠藤平吉の家、 即ち、怪人二十面相のアジトがあるのだ。 町を歩いただけでは とても、このような平和で明るい町に 怪人のアジトがあるとは思えないのだが・・・・ そこは悪知恵に長けた怪人、 どこに罠が仕掛けられているやも知れぬ。 こちら名探偵、明智小五郎としても 気を引き締めねばならない。 大胆不敵にも二十面相、 彼のアジトは住宅街にあって 一際異彩を放っている。 「俺様はここだよ」と 自らの住処を誇示しているようだ。 しかし、怪人は明智の最強の敵だ、 そのアジトの全容は シカとは確かめられぬ仕掛けがしてある。 周りを高い塀でめぐらし 至る所に”立ち入り禁止”の看板、 正面の入り口には 「駒沢給水所」の 大きな看板まで掲げている。 ”二十面相の奴め! 公共施設を隠れ蓑にして・・・” そのとき、カラスに変装したのか? 空から声が降ってきた。 「明智君、小林少年は預かった、 私のいる所は分かるかね?」 晴天の秋空に 怪人の不気味な声が響いてくる。 ”そういえば、小林少年からの 連絡が途絶えている。 しまった!! 二十面相に捕われたか!” この不気味な建物の中に 怪人と少年が居るに違いない。 憎き敵は目の前だ。 ところがこのアジト、 双子のように同じ形の建物が並び しかも行き来が出来るように 鉄梯子が二つの建物を結んでいる。 ”一体どちらに潜んでいるのか??” 何とも用意周到 難攻不落のアジト! 見上げる明智小五郎の顔に いつに無く焦燥の色が漂っていた。 さー、どうする明智小五郎! 小林少年を助ける事が出来るのか? この続きは次回のお楽しみ・・・・・
by shige_keura
| 2009-11-05 08:59
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