1月17日、朝8時をまわったころ、
相変わらずの冬型気圧配置だが 海の気配は昨日ほど酷くはないと その時は思っていた。 今日は鎌倉訪問と決めてある。 目的は二つあって 一つはカソリック霊園に眠る両親のお墓参り、 もうひとつは、和田塚にある鰻の名店、 「つるや」での昼食である。 どちらの方が優先度が高いか? それは、もちろん前者に決まっている。 ところが、朝比奈峠から八幡宮に抜ける道が 月曜日にもかかわらず渋滞が激しく まずは鰻屋直行となってしまった。 何故なら、鰻屋で待たされることを避けて あらかじめ12時に注文しておいたのだ。 鰻の老舗、「つるや」はかつての大女優で 当時鎌倉山在住、田中絹代の ご贔屓店としても有名である。 もともと、味のほうも評判が高かったのだが 昨年、ミシェランの一つ星がついたことで その人気に拍車がかかることとなた。 しかしながら、その名声に胡坐をかくことなく サービスもきちんとしており 味も満足のゆくものだった。 中でも、鰻の白焼きを 山葵と塩で食べさせる趣向は 鰻そのものの旨さがあってこそのものだった。 鰻は焼き方、タレの味付けで 人の好みは千差万別であるが、 私の独断と偏見のランキングは以下の通り。 別格が南千住の”尾花” 続く大関格が築地の”宮川”と鎌倉の”つるや”。 少し離れて飯田橋の”石橋”、 評判ほどではないと思うのが ”野田岩”と”竹葉亭”になるのかな? さて、墓参りを忘れてはいけない。 二階堂にあるカソリック霊園、 そこを過ぎて程なくの処にあるのが 花の寺として名高い”瑞泉寺”だ。 この寺には忘れられぬ思い出がある。 それは、今から55年ほど前、 祖父がこの寺で法要を執り行った時のことだ。 東京に越してから、久しぶりの鎌倉の寺、 境内に沢山の白色レグホンが 花々に囲まれて餌をついばんでいた。 古寺に花々に鶏、 印象的な光景だった。 このときの法事がどのような趣旨かは さっぱり思い出せないが とにかく、読経がえらく長く 足が痺れに痺れ辛い思いをした。 更には、どういうわけか 僧侶のしぐさが滑稽で 今度は笑いを堪えるのに 痺れ以上の辛い思いをした。 それだけ辛い思いをした後の精進料理! 子供には旨くもなんともないものだった。 今となってはバカバカしいが 何故か忘れられぬ思い出となっている。 瑞泉寺を彩る多くの花のなかでも もっとも名高い梅には一瞬早かったが 水仙、黄梅、南天、寒椿等が ひっそりと咲いていた。 束の間の鎌倉散歩、 風もなく穏やかだったのはここまで、 帰った佐島の海は強い西風にあおられ 波が逆巻いていた。 澄み切った空、清冽な空気、 今日も富士山の雄姿が彼方にそびえている。 一体この厳しい冬の天候は いつまで続くのだろうか?
by shige_keura
| 2011-01-31 08:50
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