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根拠ある楽観 -2-
次なる課題は東日本電力危機の克服、
特に消費の多い夏場をどう乗り切っていけるかである。

福島電発事故に因って
今後少なくとも1年間失われる電力供給力は次の通りだ。

・福島第一、1-6号機 470万KW
・福島第二、1-4号機 440万KW
・火力発電停止分     90万ー290万KW
合計、1000-1200万KWの供給力削減は覚悟せねばならぬ。

夏場における過去の最大電力消費のピークは
瞬間風速ではあるが、2001年7月24日
甲子園高校野球決勝の日の6430万KWであり
この夏のピークを5000万KWにバランス出来るかが鍵となる。

克服の為には1、供給力増強と併せ
2、節電体制強化、両面のシナリオ必須となる。

1.供給力増強 500万KW
1-1 周波数変換装置の能力拡充
    日本は世界広しと言ども、唯一ふたつの周波数を持つ国。
    これは、明治、大正時代に
    欧州系50ヘルツ(東日本)米国系60ヘルツ(西日本)を
    それぞれ導入したことの名残。
    現在、静岡県と長野県、計3か所に周波数変換所があり
    今の能力100万を140万に上げることは可能。
    但し、将来的に300万体制に増強する必要あり。

1-2 柏崎の復旧稼働
    現在停止中3機のうち3号機(110万KW)を
    安全性を考慮しながら再稼働が出来るかどうか。

1-3 石炭火力、石油火力、水力の供給力増強の可能性
    特にジ-ゼル発電機(1機30万KW)の在庫10台を
    緊急稼働させることで300万KW増強の可能性あり。

1-4 自治体、企業の自家発電能力の活用
    未利用余力としてMAX70万KWは期待できる。

結果、500万KWの供給力増強は非現実的な数字ではない。




2.節電強化による500万KWの需要抑制
2-1 節電徹底による消費電力の2割削減を目標
    例えば、例年の冷房需要(産業と民生合わせ)の
    2000万KW(平均26度冷房として)
    2度上げることで200万KWの削減が可能。

    これは、昨今、野放図のエアコン使用抑制を
    諌めるうえでも絶対に必要。

2-2 産業界の協力要請(生産体制の西日本シフト)

2-3 ピーク時電力の時間調整シフトに因る抑制

2-4 交通機関、JR、私鉄などの消費電力1割削減。

上記、2,3,4は具体的数字は出ていないものの
500万KWの需要抑制は十分可能と考える。

尚、大震災直後に起こったガソリン供給パニックだが
冷静に考えれば供給不足には陥らない。
但し、これを機会にエネルギー多消費社会構造からの脱皮を志向し
戦略的ポリシーミックスを発動すべきだろう。

1.需要抑制策
  ・高速道路無料化の凍結
  ・ガソリンの「震災復興税」付加
  ・燃費効率車、ハイブリッド、EV、化促進

2.供給力安定化対策
  ・短期的には「備蓄取り崩し」で可能
  ・石油会社による供給力確保
   関東地域にある8つの製油所中、緊急停止している
   5つの製油所が順次再開することは可能。
  ・石油は電力と違って西日本からも供給可能、

  いずれにせよ、「供給力不足」が基本的に無いことを
  明確に情報として開示することが必要である。

ここまで1,2で述べてきた短期的対応、
即ち、福島原発関係と東日本電力危機については
いずれも現在のデータから見れば十分に対応可能としている。

残った、長期的対応については次のブログにて、
by shige_keura | 2011-04-05 07:54 | その他
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