先日紹介したドクター・中松の発明に
触発されたわけではないのだが 明治、大正の初めに世に出た 知る人ぞ知るの珍商品を紹介する。 画像の木製の箱(タテ、ヨコ24センチ、高さ15センチ弱)、 商品名を「ハイトリック」と言い 明治時代、大阪の堀江松治郎氏が考案し 大正初期に世の中に販売された。 ・何やらネジが付いていて オルゴールのようにも見えるが関係ない。 ・箱の側面には雲形模様の”明かりとり窓”があり 日本伝統工芸品を思わせるが、そうではない。 ・強いて言うならば、昔の”ハイテク”商品と言えよう。 ・目的とした効果は認められ一時期人気を博したが お値段が5円(今の2万円)とお高いので 料亭、医者等、限られた購入者は 調度品としても活用したという さて、この商品はなんでしょう? 商品名から大方の察しはついていると思われるが、 これは「自動蠅取り器」である。 本品は”Japanese fly trap”、”Clockwork fly trap”の名前で 遠く海外にも輸出された。 特に、第一次大戦中は イギリス軍から大量に注文を受けたという。 当時、日本の夏で鬱陶しいものといえば 蠅と蚊がその代表格であった。 蚊は刺されると痒い、 一方、蠅は刺すことはないが 下水道が完備しなかった当時は バイ菌を運んでくる虫として忌み嫌われた。 そこに登場したのがこの新兵器だ。 ”仕掛け”、”からくり”を紹介しよう。 左側の箱に四角の回転木枠が取り付けられており 四隅に蠅が好む蜜、酒、砂糖を塗っておく。 蠅がそこに止まるとゼンマイ仕掛けで木枠が回転し、 食べることに夢中になっている蠅は下に滑り落ちる。 落ちた部屋は真っ暗、 ワの場所から漏れてくるほのかな明かりを頼リに進むと 右側の部屋に入って出られない。 「はい、それまーでーよ!」 餌をどの程度回転枠に塗るのか? べたつかないのか?洗浄はどうする? ゼンマイがどの位回り続けるのか? 疑問は幾つか生じるのだが 効果そのものは顕著なものだったそうだ。 今年の夏は節電の影響で温度が上がり 例年より蠅の発生が見込まれる? どなたか、アナログ仕掛けのハイテク製品 作ってくれる御仁はおられないだろうか? 今夏は自動蠅取り機、蚊取り線香 団扇に氷柱で優雅に過ごそう!
by shige_keura
| 2011-04-18 08:59
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