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これぞ珍品!
先日紹介したドクター・中松の発明に
触発されたわけではないのだが
明治、大正の初めに世に出た
知る人ぞ知るの珍商品を紹介する。
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画像の木製の箱(タテ、ヨコ24センチ、高さ15センチ弱)、
商品名を「ハイトリック」と言い
明治時代、大阪の堀江松治郎氏が考案し
大正初期に世の中に販売された。

・何やらネジが付いていて
 オルゴールのようにも見えるが関係ない。
これぞ珍品!_c0135543_14594583.jpg

・箱の側面には雲形模様の”明かりとり窓”があり
 日本伝統工芸品を思わせるが、そうではない。

・強いて言うならば、昔の”ハイテク”商品と言えよう。

・目的とした効果は認められ一時期人気を博したが
 お値段が5円(今の2万円)とお高いので
 料亭、医者等、限られた購入者は
 調度品としても活用したという

さて、この商品はなんでしょう?




商品名から大方の察しはついていると思われるが、
これは「自動蠅取り器」である。
これぞ珍品!_c0135543_1513995.jpg

本品は”Japanese fly trap”、”Clockwork fly trap”の名前で
遠く海外にも輸出された。

特に、第一次大戦中は
イギリス軍から大量に注文を受けたという。

当時、日本の夏で鬱陶しいものといえば
蠅と蚊がその代表格であった。

蚊は刺されると痒い、
一方、蠅は刺すことはないが
下水道が完備しなかった当時は
バイ菌を運んでくる虫として忌み嫌われた。

そこに登場したのがこの新兵器だ。

”仕掛け”、”からくり”を紹介しよう。

左側の箱に四角の回転木枠が取り付けられており
四隅に蠅が好む蜜、酒、砂糖を塗っておく。
これぞ珍品!_c0135543_1524859.jpg

蠅がそこに止まるとゼンマイ仕掛けで木枠が回転し、
食べることに夢中になっている蠅は下に滑り落ちる。

落ちた部屋は真っ暗、
ワの場所から漏れてくるほのかな明かりを頼リに進むと
右側の部屋に入って出られない。

「はい、それまーでーよ!」

餌をどの程度回転枠に塗るのか?
べたつかないのか?洗浄はどうする?
ゼンマイがどの位回り続けるのか?

疑問は幾つか生じるのだが
効果そのものは顕著なものだったそうだ。
これぞ珍品!_c0135543_153213.jpg

今年の夏は節電の影響で温度が上がり
例年より蠅の発生が見込まれる?

どなたか、アナログ仕掛けのハイテク製品
作ってくれる御仁はおられないだろうか?

今夏は自動蠅取り機、蚊取り線香
団扇に氷柱で優雅に過ごそう!
by shige_keura | 2011-04-18 08:59 | その他
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