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夏がくれば・・・・・・・・
毎年、夏になると流れてくる曲、
或いは実際に流れてなくても
聞こえてくるような感を抱く歌がある。

”夏がくれば思い出す
 はるかな尾瀬 遠い空
 霧の中に うかびくる
 やさしい影 野の小径
 水芭蕉の花が・・・・・・・・”
夏がくれば・・・・・・・・_c0135543_20423969.jpg



同年代の方ならば
歌詞は知らずともメロディーは
絶対に覚えているはず。

歌の題名は「夏の思い出」。

作詞は団伊玖磨と組んで
「花の街」も手掛けた江間章子、
作曲は「ちいさい秋みつけた」、
「めだかの学校」の中田喜直、
昭和の日本を代表する音楽家が組んだ名曲だ。

デビューは1949年、NHKのラジオ歌謡、
日本きってのシャンソン歌手となった石井好子が唄い、
たちまちのうちに全国に広がり、
同時に尾瀬と水芭蕉の名前が全国区のものとなった。

但し、この曲がレコード化されたのは1954年、
その時、歌ったのが藤山一郎と来るのだから
日本音楽界の総力を結集したかのような歌である。





この歌が日本人の心をとらえているそのわけは
歌詞よりもメロディーと曲の題名に有るのだろう。

私のような、今もって尾瀬を知らない人にとって、
この歌は、まだ見ぬ尾瀬の誘いも感じないわけではない。

しかしながら、題名とメロディーから受けるインパクトの方が
何倍も大きく胸に迫ってくる。

「夏の思い出」、そして美しいメロディーから
遥か昔となった懐かしくも楽しい夏のひとこまが
脳裏に蘇ってくるのだ。

子供の頃、誰にとっても夏は楽しく待ち遠しかった。

私にとっての夏と言えば逗子!

入道雲が青空にポッカリと、
浮き立つような浜辺、
年を経るに従い、暑苦しさしか感じなくなった
アブラゼミ、ミンミンゼミの鳴き声も
子供の耳には心地よく響く夏の昼下がりだった。

ある年、私はツベルクリンの陽性反応のため
ひと夏の水泳を禁じられひどく落ち込んだ。

そんなある日、母とともに近所の披露山に
補虫網と虫籠を携えて登って行った。

セミ、トンボ、蝶々を追いかけまわして一休み
海岸を見下ろす野原に腰をおろし昼食の時間とした。

お弁当を広げた途端
香ばしい匂いが漂いはじめた。

「おっ、何だ??」

向かう視線の先にあったのが
大好物、こんがりと狐色、焼きおむすびだった。

おかずは何だったのか?
水分は、水か?お茶か???
まったく覚えていない。

ただただ、夢中になっておむすびを食べたあのとき
はるか眼下に見える浜辺から喧騒が伝わってくる、
遠く沖合には江の島の展望台が霞んでいる。

それが私にとっての最古の夏の思い出なのだ。
夏がくれば・・・・・・・・_c0135543_2044114.jpg

7月某日、偶々、テレビから流れてきた
「夏の思い出」を聞いてふと思い出したことである。
by shige_keura | 2011-08-06 20:47 | その他
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