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こいつは春から・・・・・・・
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国立劇場開場45周年、
平成24年初春歌舞伎公演の演目が
通し狂言、「三人吉三巴白浪」である。
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三人吉三、最初の出会い”大川端”は
歌舞伎芝居の名場面のひとつ、
更に、ここで女装の美男盗賊、
お嬢吉三の七五調の流麗なる科白が錦上花を添える。
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「月も朧に白魚の 篝もかすむ春の空
 冷てえ風にほろ酔いの 心持よくうかうかと
 浮かれ烏のただ一羽 ねぐらへ帰る川端で
 竿の滴か濡れてに粟 思いがけなく手にいる百両
 ほんに今夜は節分か
 西の海より川の中 落ちた夜鷹は厄落とし
 豆たくさんに一文の 銭と違って金包み
 こいつは春から縁起がいいわい」
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実に節目の年の新年に相応しい演目だ。
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しかも、今回は通し狂言、
”大川端の出会いの場”しか知らぬ私にとって
初めて三人吉三、全体の話をのみ込むことが出来た。

更に配役が”すこぶるつき”のなんとやら、
和尚吉三、松本幸四郎、お坊吉三、市川染五郎の親子競演に
旬の女形役者、中村福助のお嬢吉三ときている。
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「こいつは春から縁起がいいわい」はこっちの科白だ。





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松本幸四郎の安定感と堂々たる所作、
歌舞伎に限っては弟の吉右衛門を凌駕している。

染五郎は若干、線の細さは否めぬが
セリフ回し、踊り等の存在感はなかなかのもの。

そして、艶っぽい福助の芸の巧さは特筆もの、
野太い男の声と裏っかえった女性の声を交互に使ったり、
踊りも男踊りをしてみたり(お嬢吉三は男だから)、
今まさに脂が乗り切った時期を迎えているようだ。
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さて、この演目の作者、河竹黙阿弥は
幕末から明治にかけて幅広いジャンルで、
約360もの作品を残している。

それらの作品は歌舞伎芝居の集大成とも言われ
坪内逍遥は黙阿弥を「江戸演劇の大問屋」と賞賛した。

この三人吉三の筋書きは実に複雑、奥が深く、
更には男女の許されぬ微妙な世界にまで入りこんでいる。

それは、単なる敵討にとどまらず、
男(お坊吉三)と男(お嬢吉三)の恋愛感情だったり、
男と女の双子(和尚吉三の弟妹で、当時双子は畜生と蔑まれた)の愛であったり、
更には和尚吉三の弟、妹の双子を自らの手にかけて殺してしまったり、
極めつけはお嬢吉三は”八百屋お七”パロディであったりする。

今回はイヤホン解説を耳につけての観劇、
お陰で河竹黙阿弥の描いた深みのある話が理解できた。

さもないと、話がチンプンカンプンになるところだった。

大詰めは白浪(盗賊)三人吉三の大捕物、
「櫓お七」を模した舞台に激しく雪舞い散る中、
大見得を切る三人白浪。
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「よーっ、成駒屋ーーー」
「待ってました! 高麗屋!!」
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「こいつは春から縁起がいいわい!!」
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by shige_keura | 2012-01-11 17:47 |
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