映画元年は1895年、
フランスのリュミエール兄弟が映写機を発明した年だ。 そこから32年後の1927年に 革命的方式が導入された。 「ト-キ-映画」の誕生である! ト-キ-の誕生がその後の 映画の発展、普及に拍車を掛けた事は間違いない。 記念すべき初のトーキー映画が「ジャズ・シンガー」、 当時の有名なエンターテイナー、アル・ジョンスン主演、 部分ト-キ-とは言え、生の声がスクリーンから流れてくる。 誰も彼もが映画館に詰めかけ 大スターの歌声に酔いしれた。 ト-キ-の誕生が、とりわけミュージカル映画に与えた 影響は計り知れない。 1930年公開の「ブロードウエー・メロディ」は 世界初の全編トーキーとして世間の注目を浴び 第2回のアカデミー作品賞に選ばれた。 ミュージカル映画が第2回のアカデミー賞を受賞!、 如何に、このジャンルの映画が急速に認知されたかを物語っている。 ミュージカル映画は観客が押し寄せる! 「儲かるぞ、これは!」 この時代、どの映画会社もヒットが望める ミュージカル映画製作に力を注いだ。 しかしながら、歌って踊れる俳優が足りない! 従って、今では「あの人が??」と驚くようなスターが 途惑いながらもミュージカル映画に出演した。 ケイリー・グランド、ジェームス・スチュアートは 御世辞にも巧いとは言えぬ歌を披露したり クラーク・ゲーブルの恥ずかしげな踊りが画面に登場した。 (クラーク・ゲーブル、「ダンシング・レディ」) 初のト-キ-、「ジャズ・シンガー」に戻ろう。 映画史上、記念すべき俳優の第一声はアル・ジョンスン、 セリフは「You ain't heard nothin' yet」だった。 直訳すれば、「聞いたことも無い」とでもなるのだろうが、 日本の銀幕の字幕には、こう書かれていた。 「お楽しみはこれからだ!」 いやいや! 名セリフ中の名セリフ! 名訳中の名訳と言って良いだろう。 何故ならば、この言葉は その後の映画の発展、ミュージカル映画の繁栄を 見事に予言しているからだ。 その言葉に促されるように 神様、フレッド・アステア、王様、ジ-ン・ケリーが 軽やかな踊りを披露し観客を魅了した。 お相手は、勿論、ジンジャ―・ロジャースはじめ ジュディ・ガーランド、シド・チャリシ―、 レスリー・キャロン、ミッチー・ゲイナ-、ヴェラ・エレン、 「いずれアヤメかカキツバタ」、魅力いっぱいのダンサー達だった。 更にはブロードウエー舞台劇の映画化の名作、 「王様と私」、「恋の手ほどき」(ジジ)、 「南太平洋」、「マイフェアレディ」、 そして”ミュージカルの革命”、「ウエストサイド物語」が誕生する。 全ては、あの一言「お楽しみはこれからだ!」に始まった。 長い長い映画の歴史にあって 唯一無二、最高のフレーズ、 それが「You ain't heard nothin' yet」だ。 私も随分楽しませてもらった。
by shige_keura
| 2012-01-23 16:17
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