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懐かしい切符、素晴らしい映画
昔の映画ファンにとって
物足りなく感じるのが昨今の映画館の切符だ。

電車の切符と見まごうような
味わいもへちまもない切符を渡され
半券は入退場の時に必要と言われる。

こんな小さな半券、
ひとたびしまいこんだら、永久に行方不明となりそうだ。

しかし、この切符はサイズこそ小さくなったが
未だに昔の味わいを残している。

薄いピンクの地に鳩が飛んでいる。

デザインのセンスも今いちならば
色合いもお世辞にも洒落ているとは言えない。
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だが、この切符こそ昔の映画館を表わしている。

極めつけは、映画館の名前である。

「武蔵野館」、こんな名前の映画館が今も残っている。

麻布、芝、新橋、日比谷が本拠地の私にとって
新宿の「武蔵野館」はアウェ-映画館だった。
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しかし、一度訪ねれば忘れられぬ名前、
開業は古きも古し1920年、
新宿駅前で”武蔵野”の名前を名乗った事だけでも
映画館主の意気込みが感じられるではないか。
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先週、或る人からの情報を得て
何十年振りかに「武蔵野館」に足を運び
小品ながら”ドキュメンタリーこれぞ”の傑作に出会い、
至福の一時を過ごした。



タイトルは「笑ってさよなら」
サブタイトルが -四畳半下請工場の日々ーである。

この作品が産声を上げたのは2010年
CBC(中部日本放送)で1時間の番組として紹介された。
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東海といえば名古屋、
名古屋と言えばトヨタの城下町、
そこで零細第4次下請け町工場を営む
肝っ玉女社長、小早川弘江さんが主人公だ。

トヨタショックで仕事が全く来なくなり
青息吐息の毎日を過ごすうち、
プリウス爆発的ヒットにより様変わり
毎日の時間が足りなくなるほど仕事が舞い込んでくる。

その絶頂期、小早川さんは自分なりに先を見通し
すっぱりと下請けを返上し
介護士として新たな人生のスタートを切った。

まさに、「笑ってさよなら」だ。
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プロデューサーは大園康志さん、
大胆なまでに無駄を切り取って
ドキュメンタリーの良さを最大限に活かした。

その才能には脱帽するほかはない。

だからこそ、2011年世界四大映像祭の
「モンテカルロ・テレビジョン・フェスティバル」にて
日本民放として初めてのグランプリ受賞の快挙を成し遂げた。

今回は、劇場版としての言わば凱旋公演である。

選ばれた劇場が、オールドファンにとっては
映画の聖地のひとつ「武蔵野館」だ。

「やってくれたぜ!!!」

オメデトウございます!  大園さん!!
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by shige_keura | 2012-04-25 15:56 |
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