「火祭り」と言えば私にとっては鞍馬である。
京都、鞍馬山の火祭り! 実は見た事がない。 ここで私が言う「鞍馬の火祭り」とは 嵐寛寿郎の「鞍馬天狗、鞍馬の火祭り」なのだ。 それでは、この映画が面白かったかと言うと、 期待外れの度合いが大きかったということだ。 偽物の鞍馬天狗が京の町を横行、 最後は火祭の日に正邪の天狗が相対峙する。 筋だけ書けば面白そうなのだが 子供には難解のストーリー、 騙された思いで映画館をあとにした。 しかし、この作品の出演者は 今から思えば豪華極まりない。 アラカンの鞍馬天狗以下、 美空ひばりの杉作、川田晴久のお黒姫吉兵衛、 高田浩吉、黒川弥太郎、入江たか子、 そして、この年(1951)映画デビューした岸恵子 凄い配役だ。 (デビュー直後の岸恵子) 話は変わるが、 日本三大奇祭りとして有名なのが、 静岡、大井神社の帯祭り、愛知、国府宮の裸祭 そして、山梨、富士吉田の火祭りとなる。 8月25日、祭りの当日 吉田の火祭りを生まれて初めて見学した。 「吉田の火祭り」は400年も続く伝統行事、 夏山・富士山登拝の山仕舞いを意味する祭りだ。 神の山、富士山に対し、 無事に夏の季節が終わっことに感謝を込めるものだろう。 真正面に富士山を拝む本町通りには 約3メートルの高さの大松明が79本掲げられる。 マツ、カラ松の薪を荒縄で締めあげ 筒状に仕上げた大松明が通りに並ぶ。 加えて、沿道の家の前には 井桁に組んだ松明が造られている。 暮れなずむ空、富士山を背景に 準備が着々と進む。 祭りの前の浮き立つ空気が町を覆っている。 18時半、遥かかなたの大松明に火がともる。 思い思いのハッピに身を包んだ若い衆が 次々と松明に火をつけていく。 見る間に通りは炎で包まれ、 近づくと身が焦げるほどの熱さだ。 19時半、全ての松明に火はともり、 燃え盛る炎が町をのみこむ。 火祭りはこれからが最高潮、 あたかも過ぎゆく夏を惜しむかのように 夜の更けるまで人と火の競演が続く。 炎の彼方に浮かぶ富士山、 今宵も頂上を目指す登山客の 明かりの列が連なっている。
by shige_keura
| 2012-09-03 09:57
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