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最古のカップ  -ミスター・アメリカズカップ、その光と影ー
1851年ロンドン万博を記念して行われた国際ヨットレース、
ビクトリア女王より銀製の水差しのカップが
優勝した「アメリカ号」に授与された。
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同時に渡された贈与証書には、こう書かれていた。
「アメリカ号のオーナー達は
 いかなる国の挑戦を受けねばならぬ」

以来、132年間、1983年迄、24回の国際レースを
アメリカが全ての挑戦者をはねつけてきた。

これほどの国際スポーツイベントで
1カ国が100年以上もチャンピオンであった試しは他に無い。

紅茶で巨万の富を得た、
英国のトーマス・リプトン卿をもってしても
アメリカからカップを奪回することは出来なかった。

この歴史的過程で、銀製の水差しは
「アメリカ号のカップ」と言うよりも
「アメリカ合衆国のカップ」と見做されるようになった。

即ち、アメリカズカップは合衆国の誇りの象徴となったのである。

ここに、幼い頃より水にヨットに親しんだ
デニス・コナー(1942年生まれ)が登場する。

1974年、1980年既に2回のアメリカズカップを
スキッパー(艇長)として制したデニス・コナーは
アメリカの星として崇め奉られる存在となっていた。
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1983年、コナーは「リバティー号」を擁して
自信満々、オーストラリアⅡ世号を迎え撃った。

ところが、大方の予想に反し
リバティ号は一敗地にまみれ
132年間守ってきたアメリカの王座が崩れ落ちた。

デニス・コナーは英雄から国族・非国民へと
奈落の底にたたき落とされた。

「この大失態の責任者は誰だ!
 ロスト・スキッパーの生首を
 失ったカップ・ルームに晒せ」とまで糾弾された。






1987年、アメリカズカップの歴史に残る「フリーマントルの激闘」!
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デニス・コナー率いる「スターアンドストライプス号」は
オーストラリアの「ク―カバラⅢ世号」を敵地の海に沈めた。
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帰国したコナーは凱旋将軍、英雄に返り咲き
時のレーガン大統領との特別会見も行われた。
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次年行われたアメリカズカップでもコナーは優勝し
ここにミスター・アメリカズカップとしての名声が確立した。
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デニス・コナーの前に敵なし、彼は名声をほしいままにした。
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ところが、絶頂期は長くは続かない。

1995年、アメリカチームは
ニュージーランドの「ブラック・マジック号」に敗退し、
コナーは「2度カップを失った艇長」の汚名を被ることとなってしまう。

ミスター・アメリカズカップが表舞台を去った頃
アメリカズカップ自体の活動が鈍ってきた。

勝利を得る為の費用が加速度的に膨れ上がって行く、
反面、世界経済が減速しスポンサーが二の足を踏み始めたのだ。

2000年行われた大会はニュージーランドが
イタリアのチーム・プラダを一蹴した。

ここからアメリカズカップは益々混迷の度を深めていく。

2003年の大会で優勝した国は
何と海ない国、スイスだった。

その裏には資金難のニュージーランドメンバーが
未だに富を誇るスイスチームに移籍したことが大きく影響していた。

しかし、いくら金持ち国とはいえ
海の無い小国がアメリカズカップの覇者であること事態が奇異であった。

そして、スイスが2007年に防衛した後、
詳細な舞台裏は分からぬが
裁判沙汰が噴出しアメリカズカップは混迷の度を深めて行った。

そして2010年、第33回大会が行われ、
現在はアメリカがカップの保有国となっているが
純粋なスポーツイベントとは言えぬようになってしまったようだ。
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果たしてデニス・コナーが活躍していたころの
アメリカズカップのステータスは戻ってくるのだろうか?

しかし、あのときのロレックスの広告の質感、
デニス・コナーの格好良さったらなかったな。
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by shige_keura | 2012-12-14 13:09 | スポーツ
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