今年の金沢は昨年と比べ雪が少なかった。
(昨年1月の兼六園) 兼六園の雪景色もそれほどのことではなく 冬の風物詩、雪つりも手持無沙汰の風情だった。 (本年1月の兼六園) いつも楽しみにしている千取鮨の中庭の雪景色も 残念ながら見ることは叶わなかった。 (昨年の千取鮨) しかし、いつも変わらないのが千取のお鮨をはじめ 北陸の冬の魚介の素晴らしさだ。 12月中旬から1月中旬までの1ヶ月間 この時期のブリ、と香箱カニは絶品! そのほか、千取で知った初めての素材、味、 それは、万寿貝、赤西貝、アラ、梅貝、 そして、本日の主役の「ガスエビ」だ。 最初に名前を聞いた時、 「何だ?? ガスエビって、ひでー名前だな」 ガス海老とは北陸で呼ばれている名前、 正式には「トゲクロザコエビ」、 地方によっては、ガザエビ、ドロエビ、モサエビ、 いずれにせよ、どれも食べたいと言う名前ではない。 大体、ガスとはカス、外れの意味、 北陸の漁師にとっては甘エビが当たりでガスエビは外れなのだ。 ところが、ところが、千取のガスエビときたら コリコリ感と言い、甘さ加減と言い、 透明な緑色の卵は言うこと無し、 おまけに頭の塩焼きなんぞは酒のつまみに絶好! では、何故にガスエビが外れなのだろうか? 確かに甘エビと比べると見栄えは悪い。 (左・ガスエビ、右・甘エビ) 更に、劣化の足が早く、見る間に黒く変色、 味はさほどに落ちないのだが 東京に送ったところで商品価値は甘エビに敵わないどころか 値段がつかないと言うのだ。 (甘エビ) 私にとっては、保冷技術が進んで 新鮮な色のガスエビが東京に運ばれ値段が吊りあがるよりも 年に1回、金沢でのお楽しみの方が嬉しいのだ。 しかし、それにしても「ガス」は無いだろう、 これほど可哀そうな名前を持ったエビは知らない。
by shige_keura
| 2014-02-04 21:34
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