「ホームズ、こりゃ一体何だね?」
「何だねって、見りゃ分かるだろう!ワトソン、 君の眼の前にいる私の顔だよ、似てるだろう」 「何でまた、こんな地下鉄のベンチに沢山書いてあるんだね?」 「上に行けば分かるよ」 「こりゃまた驚いた、君の銅像じゃないか」 「あって当り前さ、ここはベーカーストリート、 ここにあった探偵事務所のお陰で いくつもの難しい事件が解決されたんだから」 「おいおい、ここは昔、二人が居た事務所じゃないか! 懐かしいね-、ここで君はいつもパイプをくわえて・・・・・・ それにしても凄い人波だが難事件が続いているのかな?」 「ワトソン、何を馬鹿な事を言ってる。 世界中から僕に逢いに来ているのさ、 だから早く帰らなければ、日本のファンをがっかりさせちゃいけない」 「事務所にかえるには、この横断歩道を横切らなければ・・・ なんでまた、辺鄙な場所なのに次々に人が横切るのかね?」 「ワトソン、君は全く何も知らないね。 通りの名前を見たまえ」 「アビ-・ロード???? 何だか聞いた事があるような・・・・・・・・・、 アッ! あのビートルズ(The Beatles)だ!」 「そうだ、漸く分かったかね、 ここは彼等の第12作最後のアルバム ”Abbey Road”が作られたスタジオがあり そのジャケットに使われた横断歩道だ」 「あいつらが出てきたのが1960年代、 最初は変な奴らだと思ったが、 素晴らしいバンドだったね」 「そりゃそうだ、ギネス・ワールド・レコードで 史上最も成功したグループ・アーティストとして評価されている。 イギリスのオリジナルアルバムが全部で12作品だが 11作品がヒットチャートの1位にランクされた」 「ホームズ、君は何でも知ってるね、驚きだよ!」 「ついでに言うと、レコードが録音されたのが あそこにあるスタジオで当時はEMIと言う名前だったが レコードの成功でAbbey Studiosと名前を代えたんだ」 「そうなんだ!」 「ついでに言っておくと、この横断歩道は 政府からイギリスの文化的・歴史的遺産の指定を受けているんだよ」 「そーか!、たかが横断歩道って馬鹿にできないね」 「それじゃ、文化的遺産を渡って皆が待ってる事務所に帰るとしよう」 (最寄りの地下鉄駅の売店にて)
by shige_keura
| 2014-07-08 12:13
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