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静謐と「和」の温もり
東京のホテル事情も21世紀に入ってから大分変って来た。
その最大の原因は外資系ホテルの進出である。

パークハイアット東京、ウエスティン、フォーシーズン(ホテル椿山荘)が
今世紀に入ってすぐに東京に進出。

今は、それに加え、ザ・ペニンシュラ東京、マンダリン・オリエンタル東京、
ザ・リッツ・カールトン、コンラッド東京、グランドハイアット東京等、
首都は外資系ホテルに席巻されている。

私にとっての東京のホテルと言えば元祖御三家、
帝国ホテル、ホテル・オークラ、ニューオータニとなる。

1890年誕生した初代・帝国ホテルは
1919年に全焼しているので記憶にはない。
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私にとっての帝国ホテルはフランク・ロイド・ライト設計によるもので、
これぞ日本の代表と言わんばかりの威厳に満ち満ちていた。

由緒ある帝国ホテル、ライト館が
1964年に取り壊されたのは真に残念である。
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ちょうど同じ時期、1962年に開業したホテル・オークラは
外面を日本の美、「なまこ壁」に覆われた、
優美で気品にみちた設計である。
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御三家の最後、ニューオータニの登場は1964年、
地上17階建て、廻るレストランで話題を集めたが
品格の点ではオークラに遥かに劣り
大きさで圧倒するアメリカン・スタイル・ホテルの先駆けだった。
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ホテル・オークラは大倉喜七郎の存在なくしては語れまい。
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彼は最後の男爵の意地と誇りを持ち、
日本の美しさをもって諸外国の貴賓を迎い入れるべく
国内屈指の工芸家の協力を頼んだ。

その筆頭に居たのが文化勲章叙勲者、
金沢市出身で窯元を営んでいた谷口吉郎(1904-79)である。

谷口は帝国劇場、沖縄戦没者慰霊碑、千鳥ヶ淵戦没墓苑、
慶應義塾日吉寄宿舎、出光美術館等々、数々の設計に携わったが、
中での最高傑作がホテル・オークラにあると言われている。

谷口の設計が如何に素晴らしいか、
そして大倉喜七郎の存念「日本の美」の象徴が
メイン・ロビーに最大限に表わされている。
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外資系のホテルと比べると天井は驚くほど低く、
昔ながらの電灯の明かりは暗いと感じる人もいるだろう。
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しかし、そこに日本の美を追求した
静謐なる和の温もりを感じることが出来る。

ロビーはあくまでもゆったりとしている。
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上から見ると梅の花を模した木のテーブルと椅子。
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ひょっとすると谷口は故郷・金沢の
加賀百万石の梅鉢の紋をイメージしたのではないだろうか。
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正面のガラス窓は障子が下りてきており、
ほんの少しの空間から緑の庭が覗いているさまは東山魁夷の絵を彷彿とさせる。
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古墳時代の首飾りを模したとされる、
そろばん玉が連なったかのような切り子玉形の照明の光は
あくまでも柔らかく人の心を和ませる。
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日本美術の粋を集めた「和」のホテル。
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大倉喜七郎の執念の結実が
建築後50年以上絶った今もなお見て取れる。

2020年の東京五輪に合わせ
優雅なホテルも本年8月末で閉館となる。

新たなホテル・オークラにどこまで和の美しさを取り入れることが出来るだろうか?
期待と不安が交差している。
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by shige_keura | 2015-02-20 09:12 |
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