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偉大なる敗者
舞台のアカデミー賞とも言われる
アメリカ・ブロードウエー舞台の最高の栄誉である
「トニ―賞」の授賞式がつい先日行われた。

渡辺謙は惜しくも主演男優賞を逃したが、
彼が出演した「王様と私」は主演女優、
助演女優等を獲得し高い評価を得た。

このニュースに接した時、
私の脳裏には一人の女優の顔が浮かんだ。

彼女の名前はデボラ・カー、
英国出身のハリウッドを代表した美人女優である。
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彼女のニックネーム「英国のバラ」の通り、
デボラ・カーは華やかな中につつましやかな気品をたたえていた。

それは、彼女の出世作品「黒水仙」、
尼僧の役で銀幕に登場したことが多分に影響しているだろう。
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彼女、デボラ・カーは又、「偉大なる敗者」と呼ばれたこともあった。

それはアカデミー主演女優賞にノミネートされること6度、
しかし結局彼女はオスカー像を抱くことが出来なかったからだ。
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ノミネート作品のひとつが「王様と私」であり、
シャムの王様を演じたユル・ブリンナーが主演男優賞を得たのに反し、
デボラ・カーはノミネートに留まった。





彼女が「偉大なる敗者」の道をまっすぐに歩み始めたのが
1954年の時の事だったと思う。

この年、彼女は「地上より永遠に」で
2度目の主演女優賞にノミネートされていた。

この作品はハリウッドの異能、異才フレッド・ジンネマン作品、
真珠湾攻撃された当時のハワイに駐留する
アメリカ軍内部の腐敗、堕落を描いた異色の映画だった。
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腐敗、堕落とは賄賂であり苛めであり、不倫等々、
デボラ・カーは主人の部下と不倫関係に溺れてゆく
一見慎ましやかな妻として登場する。
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映画史上有名なバ-ト・ランカスターとの浜辺のラブシーン、
彼女のもつ気品の裏側で燃え盛かる恋の炎に驚いた。

アカデミーの下馬評は新たな面を開花させたデボラ・カーに集まったが
この時も、結局ノミネートどまりだった。

「地上より永遠に」は作品・監督・助演男優・助演女優と
数々のアカデミー賞に輝いたのだが
何故かデボラ・カーは手にすることが出来なかった。

さて、この年、デボラ・カーはブロードウエイの舞台劇
「お茶と同情」にも出演し「トニ―賞」の主演女優にノミネートされていたのだった。
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しかしながら、アカデミー賞に続き
トニ―賞までもが彼女の手をすり抜けて行ってしまった。

では、誰が彼女の前に立ちふさがったのだろうか?

その人の名前はオードリー・ヘップバーン。
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彼女はハリウッドデビュー作「ローマの休日」で
アカデミー主演女優賞を獲得したばかりか、
2度目のブロードウエイ・ミュージカル主演作「オンディーヌ」で
トニ―賞主演女優賞の栄冠を手にしたのである。
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「それはラッキー」と言ったのはオードリー、
晩年、彼女が記者の質問、
「貴方の人生を一言で表わす言葉は何か?」に答えたものだ。

一方のアンラッキー・レディ、デボラ・カー、
ハリウッドも「偉大なる敗者」を忘れてはいなかった。

時は1994年、既に映画界から引退していた彼女に
アカデミー賞名誉賞が贈られたのである。

偉大なる敗者が漸く勝利の栄冠を手にした時だった。

リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世、
黄金コンビが仕上げたミュージカル傑作、「王様と私」。

"Shall we dance"、軽快な音楽に乗って
デボラ・カ―とユル・ブリンな―がステップを踏んでから
60年以上の時空を超えた今、
日本人男優がブロードウエーで主役を務めるとは
誰が予想したであろうか。
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by shige_keura | 2015-06-09 22:07 |
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