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怪談の怪
今日のお話のきっかけとなったのは
先日観劇した「東海道四谷怪談」である。

四谷怪談の基を辿れば、
元禄時代に起きたある事件を基に創作されたお話で、
そこから多くのバリエーションが生まれているとのことだ。

中でも有名なのが三遊亭圓朝の落語と
鶴屋南北の「東海道四谷怪談」となる。

ここで、よく分からないことが二つ出てくる。

ひとつは、元禄時代に起きたある事件とは何か?ということと、
もうひとつは、事件の発生場所は一体全体どこか?

この二点である。

四谷というとすぐに新宿区の四谷を思い浮かべてしまうが
怪談の発生は、江戸時代の雑司ヶ谷町にあった
四谷(現在の豊島区雑司が谷)が舞台であるとの説が定着している。

ところが、鶴屋南北の歌舞伎狂言の中には
四谷左門の名前のお武家が登場してくる。

四谷左門とは言えば
すぐに連想するのが新宿区・四谷左門町となる。






そして、新宿区四谷の左門町17番地に
「田宮稲荷神社」(通称・於岩神社)が現に残っており、
そこは田宮家の屋敷跡地に建てられた社であるという。
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神社は小さく、道路に赤い幟がなければ見過ごしそうなのだが
本堂横には、国立劇場の「東海道四谷怪談」のポスターが貼ってある。
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主役の幸四郎と染五郎はお芝居の成功を祈り
ここを訪れたに違いない。
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神社の案内によると、お岩が没したのが1636年(寛永13)とあるので
彼女は南北の「東海道四谷怪談」(1825年・文政8)が生まれる
200年も前に生きた女性となる。

彼女は田宮左衛門の娘として生まれ、
婿養子として伊右衛門を迎える。
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結婚した当時の家はは貧しかったのだが、
二人は仲睦まじく、助け合いながら仕事に精を出した結果、
家は見事に再興されたと伝わっている。

従って、ここではお岩が夫に無残に殺された事実はどこにも無いのだ。

すると、この怪談の基となった元禄時代の事件とは何であるかは
依然として謎に包まれたままになっている。

なんとなく釈然としないのだが、
この方が怪談らしくて良いのかもしれない。

それにしても驚くのは鶴屋南北の独創性と発想の豊かさ、
怪談を日本で最も人気のある仇討に繋げていってしまうとは、
これこそ、「びっくりポン」である。

付録の「怪」を紹介して話を終えよう。

それは、「田宮稲荷神社」の斜め向かいに、
もう一つの社があり「於岩稲荷 陽雲寺」とあった。
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ここは、先ほどの「田宮稲荷神社」に比べて立派であり
境内には「お岩さま縁の井戸」、「於岩稲荷 水かけ福寿菩薩」等、
お岩様を全面に押し立てた営業色が若干鼻につく。
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説明文を読む限りでは説得性に乏しく、
この存在が四谷怪談の「怪」を
もうひとつ増やしているような気がしてならない。
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尚、於岩並びに田宮家のお墓は
巣鴨の妙行寺にあるという。

そちらにも近いうちにお参りに行こう。
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by shige_keura | 2015-12-18 09:39 |
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