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ブロードウエイが運ぶ青春の女神
1月11日の成人の日、渋谷ヒカリエの「シアター・オーブ」で鑑賞したのが
”NEW YEAR’S MUSICAL CONCERT 2016“である。
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今日の相方は成人式まではまだまだ程遠い孫、
まことに奇妙な取り合わせ,
”THE ODD COUPLE“の誕生である。

カップル誕生の背景は省くが、
二人の共通点は何と言っても映画、
ならば本日の公演は誠に楽しみである。

何故ならば、公演でカバーするナンバーは
ミュージカルファンならば知らない人はいない、
ロジャーズ&ハマースタイン、レナード・バーンスタイン、
コール・ポーター、アーヴィング・バーリン等。

一世を風靡した音楽界の大御所たちの傑作を
ブロードウエイをはじめ、ウエストエンド、パリで活躍する
5人の男女が次々と歌いまくるという
贅沢極まりない趣向であるからだ。
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男性が3人、「オペラ座の怪人」のファントム役2,000回を超え
最多出演を誇るハワード・マクギリン、
「ノートルダム・ド・パリ」の主役、カジモトを
ライフワークとして活躍しているマット・ローラン、
そして「レ・ミゼラブル」の主役・ジャン・バルジャンを
英語とフランス語でこなせる稀有の存在ロベール・マリアン。

               (左から、ロベール・マリアン、レイチェル・タッカー、
                ハワード・マクギリン、ローラ・オズネス、マット・ローラン)
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女性は二人、まずは2009年「南太平洋」の主役でデビューし
世間をアッと言わせたミネソタのヤンキーギャル、ローラ・オズネス、
アイルランド出身のレイチェル・タッカーは
「アイ・ウイル・ロック・ユー」、「ウイキッド」等で活躍の実力派女優である。

公演は9日から本11日までのわずか3日間、
大入り満員の場内は開演前から熱気が渦巻いている。







「キス・ミー・ケイト」で幕が上がって3曲目に出たぞ! 「魅惑の宵」だ。
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「魅惑の宵」は“Some Enchanted Evening”
ならば映画・「南太平洋」とくれば、ミス・ネリー・フォーブッシュ
演じるはミッチー・ゲイナー、我が青春時代の女神である。
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1958年、「南太平洋」日本公開を前に
意を決した私、中学2年の分際で
ミッチー・ゲイナー様にファンレターを出した。

勿論英語の体裁は取っているが、
今では思い出すのも恥ずかしい稚拙な内容である。

当たり前だ、誰にも教わることなく内緒で
苦心惨憺して仕上げたファンレターでありラブレターである。

約2か月後、憧れの女神さま、ミッチーから返事が来た!
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友達に自慢気に口を滑らせた3日後には
学年中に広まり大騒ぎとなった。

以降、エリザベス・テーラー、デボラ・カー等、
ハリウッドの人気女優にファンレターを出すのが流行ったものだった。

しかし、なんとませた餓鬼であったことか。

画面狭しと躍動するミッチーが脳裏に浮かんでいるうちに
曲は「虹の彼方に」「雨に唄えば」「サウンド・オブ・ミュージック」
「キャバレー」と嬉しくなるほどの懐かしいメロディが続く。

5人の圧倒的な声量と爽やかで伸びのある歌声、
世界のひのき舞台、ブロードウエイで鍛えられたプロ中のプロ、
とてもじゃないが日本人では太刀打ちできまい。
               (ミッチー・ゲイナーのネリー・フォーブッシュ
                1958年、映画「南太平洋」)
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隣の孫も、時にはオペラ・グラスを駆使し
一心不乱に舞台に見入っている。
               (ローラ・オズネスのネリー・フォーブッシュ
                2009年のブロードウエイ舞台公演時)
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休憩をはさみ3時間、至福の舞台は「レ・ミゼラブル」で幕を閉じた。

と思いきや、幕が再び上がってスペシャル・ボーナス・ソング、
アーヴィング・バーリンによる”There is no business like show business”。

これは1946年のブロードウエイ公演、
「アニーよ銃を取れ」で最初に紹介されたものだ。
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しかし、私には1955年、日本で公開された映画、
「ショーほど素敵な商売はない」となる。

何故なら、この作品はミッチーの日本初登場映画、
その後、彼女はジーン・ケリーと1957年の「魅惑の巴里」で共演し、
私の絶対的女神として崇めたてる存在となった。

               (左から、エセル・マーマン、ダン・デイリー、ミッチー・ゲイナー
                     ドナルド・オコナ-、マリリン・モンロー
                尚、エセル・マーマンは1946年、「アニーよ銃を取れ」の主役)
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「ショーほど素敵な商売はない」の主役は
マリリン・モンローであり、彼女は
ミッチーと比べ人気度は遥か上であったが
歌と踊りに関しては女神が断然だったと
思っているのは贔屓目であったのだろうか?

そんなことは無い筈だ。

本日は青春の女神に、一度ならず二度までもお目にかかり
何とも堪えられぬ一日となった。
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帰りがけに孫と一緒に味わった
ピエール・マルコリーニのチョコレート・ソフトアイスクリーム、
何とも素晴らしい味であったことか。
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"Some enchanted evening,
You may see a stranger・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 Once you have found her,
Never let her go!”
by shige_keura | 2016-01-16 18:55 |
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