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千姫と坂崎出羽守
小学校の頃だから、60年以上の大昔のことなのだが、
「千姫」というタイトルの映画を観た。

調べてみると本作品の公開が1954年であるので
私が10歳の時のことだと判明した。
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主役の千姫に扮した京マチ子の記憶はおぼろげなのだが、
その一方、槍を振るって姫を大阪城から救出する
勇猛果敢な坂崎出羽守(山形勲演)は良く覚えている。

何故、このような昔話を持ち出したのかというと、
国立劇場11月公演、「坂崎出羽守」を鑑賞したからだ。

今回の鑑賞は昔を思い出すだけでなく
新たなことを学んだことともなった。

それは、この演目の作者が「路傍の石」でおなじみの
文化勲章受章屋者の山本有三であり、
彼の生誕130年を記念して36年ぶりの上演となったことだ。

山本有三が「路傍の石」を出版したのが1937年なのだが
「坂崎出羽守」を完成させたのは、それより早い1921年、
名歌舞伎役者の六代目・尾上菊五郎のために書き下ろしたものだ。

その後、「坂崎出羽守」は菊五郎から、これまた名役者の二代目尾上松緑、
そして若くして世を去った初代・尾上辰之助を経て
36年ぶりに当代の四代目尾上松緑が演じている。

この作品の最も重要なところは
無骨者で直情な坂崎出羽守が千姫に対して芽生えた恋心と
姫を助け出したときに負った無残な火傷からの劣等感、
そして武士として受けた耐えがたい屈辱感、
それらの屈折した心理描写を細緻に表現するところにある。

それを、当代松緑は初役で
獅子奮迅の熱演で応えようとしているのは良く分かるが
まだまだ、祖父・二代目松緑と比較云々ではないと感じた。





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by shige_keura | 2017-11-07 15:20 |
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