朝7時、ゆっくりと浴槽で温まる。
(金沢と云えば・・・・・・・、兼六園) すこし茶色に濁り、ぬめりのあるお湯が 心地よく肌にまとわりつく。 (前田利家の居城、金沢城) 遠くの山のほうから雷鳴が聞こえてくる 北陸独特の冬の雷、 地元では「ブリ起こし」と呼んでるやつだ。 雷が鳴り始めると 海の幸、ブリが北陸の海で揚がりはじめる。 つまり、雷が眠っていたブリを起すというわけだ。 (金沢を代表する三文豪、室生犀星 泉鏡花、徳田秋声) 1年ぶりの金沢、 今回は友人ご夫婦との4人旅である。 友人とは中学の時から 野球部で同じ釜の飯を食った中、 気心は通じている。 おまけに旨い物には目が無く、 酒の飲むペース、量までほぼ同じ!!! (兼六園の雪吊り、雪の備えというよりも芸術の如し) ならば、冬の金沢 まさに恰好の地である。 2泊3日、勿論兼六園を始めとする 名所めぐりもこなしたが とにかく食べ飲み歩きに徹底した旅行となった。 (緑の苔と赤い南天が冬の兼六園を彩る) 初日の昼は車中で駅弁にビール。 夜に備えつつましいスタートを切る。 夜は日本一と思っている 鮨の名店”千取”で ご主人と会話を楽しみながら 飲み食べた品々は下記の如し。 刺身として、アラ(沖スズキ)、甘エビ、赤イカ、梅貝、 そして当然、寒ブリ、 その上品な脂の乗りは鮪のトロ以上だ。 酒はお店の真向いにある 福光屋、”黒帯”のお燗。 こってりとした吟醸酒と違った 淡麗な味わいに 我が食欲は益々増進する。 土地の風物詩、 ニシンの大根鮨をつまんだ後は、 香箱蟹(ズワイのメス)の透き通るような肉と シャキシャキした外子とこってりとした内子。 焼き物が、万寿貝、鱈の白子、 そしてノド黒の塩焼きだ。 勿論、このあとで ご主人絶妙の握りを楽しまねばならぬ。 (ご主人、吉田さんの絶妙なる手さばき) ブリ、アラ、穴子、鯵、こはだ・・・・・ もっと食べたいのだが・・・・・・・・ 合間に出てくる イワシのつみれ汁(麹味噌)が絶品。 ウハーッ・・・、満足、満足!!!!! 翌朝、何故かホテルの和定食で 御飯をお代わり!!!! (東の茶屋街) 東の茶屋街散策のあとは 昔の洋食”自由軒”にて昼食。 (千鳥が群れなす浅野川のほとり、 その向こうに見えるのが主計町の茶屋街) 牡蠣フライ、昔のカツどん(牛カツで芸者さんのお好み)を 友人ご夫婦が頼む中 私はホタテのソテーとポークカツの盛り合わせ、 味噌汁と銀シャリ付きで900円足らず!安い!!旨い!!! (東茶屋街の入り口にある自由軒) 夜は昔、なじみにしていた 大工町(片町)の”よし村”へ。 ここを撰んだ大きな理由は 魚と並び肉も美味しいからだ。 この日は魚には目もくれず 金沢名物、治部煮、蓮蒸し、 金時草のおひたし、 続いては、豚の角煮と鴨ロース。 冬の北陸新鮮な魚もよいが 肉も捨てがたい。 〆に冷たいウドンを食べた後 この店自慢の”葛きり”を黒蜜で味わう。 ほろ酔い気分に 黒蜜が絡んだ冷えた”葛きり”が心地よい。 (武家屋敷そばにある旧加賀藩士邸跡) 店を出ると昔の習性で 足は自然と“倫敦屋”酒場へ、 そこは、かつて故山口瞳氏が 金沢に来たときには必ず立ち寄った店だ。 今まで、飲んだ事も無い シングルモルトの逸品をお代わりするころには 大分良い心持となってしまった。 翌朝も御飯2杯の朝食を済ませ出発。 近江町で食材を仕込んだ後は 料亭金城楼が経営している ”かりん庵”にて加賀御前の昼食を取る。 ブリと赤イカの刺身、 続いてはブリのステーキ 最後が鶏鍋と御飯。 勿論、この合間に 徳利が2本ほど空になったのは言うまでもない。 金沢発の電車が3時過ぎ いくらなんでももう食べられぬ。 そう言いながらも、 金沢駅の店の前で 目の前に並ぶ駅弁を前に どれが旨そうか迷っている自分に 吾ながらあきれ果てたのであった。
by shige_keura
| 2007-12-28 23:00
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