3月15日、土曜日の朝8時過ぎ
私は北鎌倉から逗子の従弟の家に向かう所だった。 その行動目的は 別の機会に紹介するが 逗子に行く前にどうしても 確かめたい場所があった。 人は誰でも幼い頃の思い出で 何故かは分らぬが 未だに鮮明に心に残っている 場面を持っている筈だ。 私の場合、その思い出の場所のひとつが この北鎌倉駅のそばにある。 下のセピア色の画像は 今から55年以上も前に 父が写してくれたものだ。 母に手をつながれ 電車に見入っている子供が 恥ずかしながら当時6歳の私だ。 その頃、我が家は逗子にあったものだから 休日ともなると両親と一緒に 鎌倉方面に出かけたものだった。 この時は初夏の一日 北鎌倉を散策した後 円覚寺前の踏み切りで 横須賀線が通り過ぎるのを 見守った時のものである。 横須賀線の車体色が 人気のあった通称”スカ色”前の 古びた茶色である辺りに 時代の隔たりが窺える。 (横須賀線といえばこの色だ!! ”スカ色”、逗子葉山、砂浜のクリーム色、 そして海の青!!!) 当時は横須賀線も本数が少なく このように間近で走る電車を見る機会が少なかった為 私が興味深げに電車に見入る姿を 写真が良く物語っている。 あれから、半世紀以上経つものの 幸いなるかなこの踏み切りは 往時の様子をそのままに残していてくれた。 そして、あの時もここから 逗子に向かった北鎌倉駅のプラットフォーム、 違いは長くなっただけで それ以外は昔と殆ど変わらない。 フォームのベンチに腰を下ろす。 昨夜の暴風雨も過ぎ去り うららかな陽の光が差し込んでいる。 たった一つの小さな踏切によって 遠い昔の思い出が 次々と蘇る春の朝となった。 そろそろ逗子に向う 電車が来る頃だ。
by shige_keura
| 2008-03-16 11:27
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