前を行く男、 私の従弟にして 人呼んで”逗子葉山の必殺料理人”である。 彼はゴルフの腕も相当な使い手だが 今の足取りはフェアウエー上よりも 格段と自信に満ち溢れているように見える。 今日は彼の華麗なる包丁捌きに 生み出される新鮮な魚料理を 思い切り楽しむ趣向なのである。 彼の抱えたアイスボックスの中には ここ、佐島漁港で揚がったばかりの魚が ギッシリと詰まっている。 その獲物は、 アジ、カワハギ、太刀魚、カサゴ、 マルイカ、スルメイカの数々だ。 サー、これでよし! 出発だ。 逗子から鎌倉の雑踏を抜けて 走る事、約30分、 北鎌倉の娘夫婦の家に集まったるは 孫を含めて10名。 今や遅しと 仕事人の名人芸を待ちわびている。 さて、どんな料理が出てくるか??? それは見てのお楽しみだ! 午後3時近く 最初の料理が出来上がった。 先ずは、”アジと生野菜の中華風サラダ”。 用意した野菜類を皿に盛っていく。 繊切りにした大根、人参のほかは 食べやすい大きさにちぎった サニーレタス、水菜、貝割れの類だ。 アジの刺身を野菜の上に並べたら その上に、砕いたアーモンド、カシューナッツ 最後にコーンフレークスをドバッとふりかける。 タレは醤油、お酢、砂糖、お酒 そして胡麻油を好みであわせて作る。 新鮮なアジの刺身、 シャキシャキした野菜の食感と ナッツとタレの風味が 微妙に混ざり合っていくらでも食べられそうだ。 次なるは、料理人の十八番 ”カワハギの肝和え”だ。 この料理のポイントは 勿論の事、カワハギの新鮮なる肝にある。 しかしながら、難しいのは 買ったカワハギが満足すべき 胆を持っているかどうか??? それは腹を開けるまで分らない。 人間だって 外見からは腹の内まで読めないのと同じだ。 今日も4尾の中の1尾からは 期待に反した肝が出てきて 使い物にならなかった。 (左側の小さな肝は色も変わっており 残念ながら使いものにならなかった) しかし案ずるな! 十分なる肝が残りの3尾から検出された。 胆をすり鉢ですりおろし お酒、醤油に山葵を加える。 いつもながらの 濃厚な肝タレと刺身のコンビネーション! 生きているカワハギを締めたものでしかなしえない えもいわれぬ味わいである。 ”肝和え”比較の為に 次なる料理が登場する。 本日の特別企画だ! それは、マルイカのスルメイカの肝和えである。 マルイカの身は上品な甘みもあって 抜群なる美味しさであるが 惜しむらくは胆を持っていない。 (左、マルイカ、右、スルメイカ) 一方、スルメイカの味はマルには及ばぬが 大きな胆を持っている。 (スルメイカの肝、綺麗な色!!) そこで、贅沢なるかな、 マルイカのスルメイカ肝和えの登場だ。 スルメの肝タレは カワハギほどに調味料を使わない。 ほんの少しの醤油とお酒 あとは肝本来の味に任せる。 カワハギの肝和えが繊細、上品ならば イカの肝和えは野趣に富んだ漁師の味だ。 どちらも旨い!!! 春の陽が漸く西に傾くが 豪華な料理の宴は これからが佳境である。 続きは明日、
by shige_keura
| 2008-03-18 10:03
| 食
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