宇奈月温泉は古くより
全国にその名を轟かせている。 (逗留したホテルの部屋から黒部峡谷を望む) そのわけはお湯の量もさることながら 春夏の緑、秋の紅葉が 美しい事にもよる。 (富山鉄道終着駅、宇奈月温泉駅前 温泉の噴水に豊富なお湯の量を見て取れる) 更に、標高差3,000メートルを流れる 黒部川を挟んだ日本の秘境 黒部峡谷を背後に控えているからだ。 (宇奈月温泉より黒部川を見下ろす) 中でも秘境に分け入る 宇奈月温泉から 欅平まで、1時間20分の トロッコ電車の旅は 黒部渓谷の美しさを 心ゆくまで堪能することが出来るとして 観光客の人気の的となっている。 (黒部峡谷鉄道の始発駅、宇奈月) 実はこの私、北陸で暮らした6年間 トロッコ電車に乗る機会を逃してしまった。 (宇奈月駅前のトロッコ電車模型 記念撮影用で次々とハイポーズ) 6月9日、幸いなるかな 朝から太陽が顔を出し 初夏を思わせる気持ちの良い日となった。 (宇奈月駅よりトロッコ電車の線路と遊歩道 複雑な地形が見て取れる) まさに、絶好の ”トロッコ電車日和”である。 黒部峡谷が日本の歴史に登場したのは 天正11年(1583年) 越中領主、佐々成政が家康に同盟を求める為 厳冬の黒部峡谷を横断した時である。 やがて、明治、大正に入り 黒部川の豊富な水量を 水力発電に活用することが検討された。 具体的には大正12年に 電源開発用の工事用資材運搬の為 鉄道敷設が始まった。 (工事開始の頃の機関車、アメリカ、ジェフリー社製) 工事が一応の完了を見たのが 昭和12年、実に14年の歳月が経っていた。 宇奈月から欅平らまで 20.1キロに及ぶ黒部軌道が 現在のトロッコ電車の前身なのである。 勇躍トロッコ電車に乗り込む。 電車は一路欅平を目指し 時速16キロの速さで ゆるゆると峡谷に分け入っていく。 ふと、右手を見ると 二本の吊橋が眼に入った。 手すりがついている橋が人間用 付いていないのが猿の為の吊橋だ。 終着の欅平より 徒歩で20分ほどで お目当ての猿飛峡に到着する。 ここは黒部本流で 最も川幅が狭く その昔、猿が対岸に飛び移ったことから この名前がついている。 黒部川の水量の多さ、 そして速さは眼を奪うばかりだ。 そして、アチコチに 万年雪の姿を見ることが出来る。 ここで、大いなる勘違いをしたのは ここの標高である。 これほどの万年雪だから 少なくても標高は1,500以上と思っていた。 ところが、欅平の標高は 僅か599メートルなのである???!!! どうにも理解し難いのだが 万年雪があることは事実だ。 と、言うことは この峡谷の冬の寒さ そして春の訪れの遅さは 想像以上のものであろう。 心地よい散策をしたあとは 欅平の足湯で 緑に包まれながら リラックスする。 見上げると 朱塗りの奥鐘橋が 峡谷の秘境へと誘っている。 (橋の上からの眺め、 左下にはくつろいだ足湯が見える) その向こうには1543メートルの 奥鐘山がそびえ 更に分け入れば 白馬連山、五竜、鹿島槍の 名峰が黒部を見下ろしている。
by shige_keura
| 2008-06-16 20:54
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