”食欲の秋”
確かに暑い夏を過ぎ 食欲が増してきたような気がする。 「おまえ、これ以上食べる気か!」と言われそうだが。 秋を代表する味覚といえば松茸だろう。 しかし、松茸の美味しさは とっくの昔に忘れた。 今の松茸は 値段に見合う味がするとは思えない。 思っているだけで 本当は旨いのかもしれないが・・・・ しかし、極々稀に 皿の隅に鎮座ましましている松茸に お会いする事がある。 秋も深まるというのに 薄切れの松茸は寒そうで”くしゃみ”をしそう。 何しろ、向こう側が透けて見えるようなのだから。 こんな松茸にこだわらなくても 美味しい秋の味覚は 他にいくらでもある。 それは、2週間ほど前 山中湖近辺を散歩している時の事だ。 足元に栗のイガが多く落ちている。 大分前に落ちた黒ずんだイガ、 最近落ちた緑の残ったイガ。 殆どがリスか小動物に食べられたのだろう、 中はもぬけの殻だ。 しかし、よく見ると 小さな栗の忘れ物が見つかる。 そして、稀には ”これは”と思える掘り出し物もある。 しかし、秋の味覚 ”栗ご飯”には不足している。 東京に戻っても ”栗ご飯”が目の前にちらついている。 そこで、今晩は 秋刀魚の塩焼きと 栗ご飯で秋を満喫することとなった。 但し、残念ながら 今日の献立は私の作ではない。 何故ならば、栗の渋皮剥きは 並大抵の事では出来ないからだ。 こちらは飲み役に徹し 酒と徳利、猪口の用意だ。 これまた秋の味覚 柿を描いた鍋島焼の徳利。 娘からプレゼントされた お気に入りの品だ。 鍋島焼きの徳利には 九谷の猪口を合わせる。 酒を含もうとすると カワハギとフグが目に入る。 これまた秋から冬への味覚である。 煮物は加賀蓮根、椎茸、茗荷 上に三つ葉を散らせる。 脂の乗った秋刀魚には勿論大根オロシ、 ぬる燗の酒が腹に沁みる。 「旨いねーーー!!」 仕上げは、ふっくらと 炊き上がった栗ご飯。 ごま塩をかけて、ひと口、ふた口。 秋の夜は静かに更けてゆく。 満足!満足!!! ご馳、ゴチ!!!!
by shige_keura
| 2008-10-20 12:53
| 食
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