Top
<   2014年 06月 ( 5 )   > この月の画像一覧
英国11日間の旅  -私たちの履歴書ー
もしも貴方が私と同様、スコットランドを荒涼の地とイメージしているのならば
ハイランドの南西に広がる丘陵地帯、グレンコーを訪れると良い。

               (愈々グレンコーに分け入る、6月14日)
c0135543_230196.jpg

グレンコー(Glencoe)とは「嘆きの谷」との意味。

スコッチ・ウイスキーのグレンフィディック、グレンリベットのように
スコットランドにはグレン(谷の意味)を始まりとする名前が多いが
秋から冬にかけて、寒さがひとしお厳しさを増す時期にこの地を訪れるならば
グレンコーの持つ名前の意味がもっと良く分かるに違いない。

更に、この地は1692年に起きた「グレンコーの虐殺」で
より「嘆き」が谷の如く、深くなっていった。

この事件はイングランドの強硬派によって起こされた
グレンコー村に住むスコットランド人への大虐殺であり
この事件以降、スコットランドとイングランドの仲は
どうにもならぬほど、ぬきさしならぬものとなっていった。

さてさて、今日の主役の一人は、ここの荒れ地で1924年に生まれた。

彼は子供の頃、我が身に降りかかった不幸をバネに成長し、
世界中の誰もが知るヒーローと登りつめていった。

名前を言えば「あっ、そうなんだ」となる。

"My name is Bond,James Bond"!

東西冷戦、緊張の糸が張りつめた1950―60年代に誕生した西側のスーパー・ヒーロー、
殺しのライセンスを持つ男、007/ジェームス・ボンドである。

ボンドは1953年の「カジノロワイヤル」でデビューしたが
長らく、彼の生まれ素性は詳らかにされなかった。

その秘密が公開されたのが1964年、
日本を舞台とした「007は二度死ぬ」、
任務遂行中に行方不明となったボンドに対し、
母国のロンドン・タイムスに死亡記事が掲載された。
c0135543_22555117.jpg

記事の内容はかいつまんで言うと次の通りだ。

英国予備役海軍中佐のジェームズ・ボンドは1924年、
スコットランドのグレンコーでスカイフォール村出身の父・アンドリュー・ボンドと
スイス人の母・モニカ・デラクロアの間に生まれた。

11歳の時彼の身に不幸が降りかかる。

フレンチ・アルプスのシャモニーにて
両親が登山事故に巻き込まれ、この世を去ってしまった。

叔母のミス・チャ―ミン・ボンドの保護下で
名門のイートン高に入学を果たすも
友人のメイドと問題を起こし退学処分となる。

その後、19歳の時、国防省の、とある機関に入り、
やがては、表向きは「ユニバーサル貿易」を名乗る
英国海外情報部の007課員となる。

彼の最初の活躍が1953年の「カジノ・ロワイヤル」、
実にボンド29歳、若々しさとエネルギーに溢れる一方、
若気の至り、女性にチョッカイを出す事を無上の楽しみとしていた。

続きを読む
[PR]
by shige_keura | 2014-06-30 11:44 |
英国11日間の旅 -川はスコッチ色に染まってー
c0135543_22504235.jpg

上の画像はスコットランドのハイランドを流れているスぺイ川、
この川の色を見て何かを思い出しませんか??

「はい、その通り! 若い頃より慣れ親しんだウイスキーの色です」

               (旅のお目当て、スコッチの逸品「グレンモ-ランジ-」)
c0135543_225137100.jpg

英国のウイスキー産業は同国の五大輸出品目、
電気製品、自動車、石油製品、薬品と並んで
国の経済を支える重要産業である。

輸出国は現在200カ国以上、年総額は6,000億円にも上る、
スコッチウイスキーの殆どが英国北部のスコットランドで作りだされている。

だからと言って、川の水がウイスキー色に染まるのは、
工場(蒸留所)がウイスキーを垂れ流しているわけではない。

その理由を説明する前に、
スコッチ・ウイスキーとは何たるか簡単に紹介しよう。

大別するとスコッチは3種類のカテゴリーに分けられる。

1.モルトウイスキー・・・・・ 大麦麦芽を原料として作られるもので、
ラウド・スピリッツ、即ち、主張する酒・個性的で風味豊か、と評価されている。
               (「グレンフィディック」日本で最も知られているモルト・ウイスキー)
c0135543_22521744.jpg

2.グレン・ウイスキー・・・・・ トウモロコシと大麦麦芽を5:1の割合で配合されて作られ、
サイレント・スピリッツ、つまり、没個性的、風味に乏しいと言われている。

3.ブレンド・ウイスキー・・・・・1.と2.を古典的に言えば65%・35%で混ぜ合わせたもので
ウイスキーとして適度な力強さと穏やかさを兼ね備えている。
              (世界で最も販売されているウイスキー、「ジョニー・ウォ―カ-」)
c0135543_2254238.jpg


ジョニー・ウォ―カ-をはじめ、シ-バ-ス、バランタイン、オールド・パー等、
日本では断然3.が一般的に知られているが、
スコッチ・ウイスキーの本質、男の酒として
魂を揺さぶられるアルコールとの意味からは
吾等、日本男子としてモルト・ウイスキーをもっと知るべきなのだ。

そして、男の酒、モルトウイスキーを知る絶好の場所が
スコットランドのハイランド、スぺイサイド地域、
ここには今なお100以上の蒸留所がスコットランドの伝統を守り続けている。

続きを読む
[PR]
by shige_keura | 2014-06-29 22:04 |
英国11日間の旅  -シェークスピア2題-
私は読書家とは決して言えない。

しかし、英国の生んだ文豪・シェークスピアの4大悲劇の名前が
「ハムレット」「マクベス」「リア王」「オセロ」であることぐらいは知っている。

今回の旅の行程、スコットランドの訪問先に
シェークスピアに因んだ二つの城があった。

ひとつが北西部インヴァネス(Inverness)近くにあるコーダー城(Cawder Castle)。
c0135543_18493673.jpg

ここはシェークスピアが「マクベス」を書き上げるときに
戯曲の舞台としてイメージした城とされている。
c0135543_18515223.jpg

「マクベス」はご存知の通り、妻にそそのかされた主人公が
自らの君主、ダンカンを殺害し、後に自らも身を狂わせる陰惨な筋書きである。
c0135543_18525380.jpg

ところが、コーダー城は外観から見る限り
庭には美しい花々が咲き誇り、ハイランド随一の美城との評判、
陰惨な悲劇の匂いは漂ってこなかった。
c0135543_18534471.jpg

ここで、マクベスとコーダー城とシェークスピアについて
年代を追って簡単に整理しておく。
主人公のマクベスは実在の人物であるが、その治世は11世紀、
一方、コーダー城がこの世に誕生したのは14世紀、
両者の間には相当な年代の開きがある。
c0135543_18545085.jpg

又、マクベスがダンカンを殺害したのは事実であるが
あくまでも戦場での事件であり、戯曲と違って名君と伝わっている。
c0135543_18562964.jpg

そして1600年代に入り、シェークスピアは実際の歴史上人物マクベスに着目し、
物語に相応しい舞台としてコーダー城を選抜し、
4大悲劇の一篇の戯曲を完成させた。

続きを読む
[PR]
by shige_keura | 2014-06-28 23:08 |
英国11日間の旅 -スコットランド式朝食ー
1980年代から1990年代の終わりまで
欧州の大陸諸国で生活した私にとって
イギリスに出張した時の楽しさのひとつが
英国式朝食の豊かさを味わう事だった。

かつて、作家・サマセット・モームはこう言った。
「英国で美味しい食事をとりたかったら、1日に3回朝食を食べれば良い」

今回の旅の楽しみの一つが
豊かなスコットランド式・イングランド式朝食を味わう事だった。

到着翌日、少なからず時差の影響を受け
夜中に2,3度目を覚ましてしまったが
鳥の鳴き声と共に爽やかな朝を迎えた。

旅の最初の滞在地はスコットランド南西部に位置するグラスゴー、
かつての大英帝国の威容が今なお残っている堂々とした街である。

それもそのはず、1960年代までは人口100万人以上、
これは欧州ではロンドン、パリ、ベルリンに次ぐ4番目の大都市だった。

現在の人口は58万人と半減しているが
今でもイギリスではロンドン、バーミンガム等に次ぐ4番目の都市であり
スコットランドでは最大規模の人口を有している。

かつて、ローマ帝国がこの地に前哨拠点を設けたことで街は活性化し、
産業革命時にはイギリスの綿産業の中心として栄え、
同時にイギリスのおはこである海運業を支えていた。

豪華旅客船として有名な「クイーン・エリザベス2世号」も
ここ、グラスゴーで建造された。
c0135543_1014497.jpg

今も多くの学生が通う、グラスゴ-大学の堂々たる姿に
この街のもつ歴史的な厚みをまざまざと感じ取ることが出来た。
c0135543_1031361.jpg


c0135543_1041064.jpg


続きを読む
[PR]
by shige_keura | 2014-06-27 16:32 |
英国11日間の旅 -発端は「ネス湖の生一本」-
旅と言うのは出かける前は甚だ面倒だが
行ってしまうと、実に楽しい体験となることが多い。

中でも、今回のスコットランドとロンドン周辺、
都合11日間の旅は、天候にも恵まれ格別なものとなった。

今回の旅のきっかけを辿ると、1988年の昔に遡ることとなる。
c0135543_21571457.jpg

当時、好んで読んでいた故・景山民夫氏の随筆集、「普通の生活」の一篇、
「ネス湖の生一本  グレンモ-ランジ-」が
スコットランドへ、ネス湖へ、そしてスコッチウイスキー・シングルモルトへと
私の心を大きくかきたてたのである。

随筆はネス湖周辺、何もないスコットランドの田舎の描写から始まる。

                (目の前にはネス湖が広がって、6月15日、2014)
c0135543_2263651.jpg

横長、40キロに及ぶネス湖に沿ったドライブ
行き交う車は殆どないが漸く1台の車とすれ違う。

生粋のイギリス紳士と覚える車の主が
すれ違いざま、帽子に手を掛けて挨拶、
見ず知らずの他人なのだが、これが男の作法である。

続きを読む
[PR]
by shige_keura | 2014-06-26 22:15 |



2007年9月末にこちらに引っ越してきました。
→過去のブログを見る


ホームページ 



LINK 

カテゴリ
全体



スポーツ
その他
LINK
トリップアドバイザーにお勧めブログとして認定されました。金沢 ホテル
旅行口コミ情報
以前の記事
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
more...
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

LINK FREE

このブログの写真・テキストの無断使用はお断りします。

(c) 2007 shige_keura. All rights reserved.